問い合わせフォームとは、ウェブサイト上からサイト運営者へメッセージを直接送信できる仕組みのことで、メールソフトを使用することなく手軽に問い合わせが行えます。
初めて自社サイトに問い合わせフォームを設置する場合、以下のような疑問を抱くのではないでしょうか。
具体的にどういう仕組みなのか?
どのように作ればいいのか?
本記事では、問い合わせフォームの基本的な知識や作成手順、無料で利用できるフォーム作成ツールを紹介していきます。
お問い合わせフォームとは?
問い合わせフォームは、ウェブサイト上で直接ユーザーとコンタクトを取るための入力フォームのことです。商品やサービスについての問い合わせだけでなく、資料請求やイベント参加、セミナー申し込みなど、さまざまな目的に利用することができます。
企業がサイトに問い合わせフォームを設置することで、ユーザーは24時間どこでも問い合わせが可能になり、同時に企業にとっても新しい顧客の獲得へ繋がります。
お問い合わせフォームの仕組み
問い合わせフォームを作成していれば、フォームの入力後に送信ボタンを押すと、Webサーバー経由で管理者にフォームの内容が送信されます。裏ではPHPやCGIといったプログラムが動作しており、次のような処理を行います。
- サーバーが入力情報を受け取る
- 不正の有無を確認
- 入力情報がメール形式に整頓される
- サーバーのSendmailソフトでメール送信
- データベースに入力情報が届く
PHPやCGIを使ったフォーム作成コードはWeb上で公開されていますが、自社サイトにマッチしたデザインや機能を実装するには専門知識が必要です。
お問い合わせフォームの構成要素
お問い合わせフォームの構成は以下のようになっており、次の3つのページで成り立っています。
■|入力フォーム
■|確認画面
■|完了画面
入力フォームとはユーザーが問い合わせを入力する部分を指し、主にテキストフィールドで構成されます。他にもチェックボックスやラジオボタンなど目的に沿って使い分けることが可能です。
確認画面はフォームの入力後に誤りがなかったかを確認するページのことで、入力ミスを削減することができます。
完了画面はフォームの内容が正常に送信されたことをユーザーに通知する画面を指し、サンクスページとも呼ばれています。
お問い合わせフォームをHTMLやPHPで作成する方法
サイト制作に精通した人材が社内にいるのであれば、HTML・CSS、PHPを活用することで問い合わせフォームの作成が可能です。具体的な流れは以下の通りです。
- 問い合わせフォーム用のプログラムを書くファイルを用意する
- 入力・確認・完了ページ用のHTMLを記述
- POST通信を使ってフォームデータの送受信テスト
- ページ間に戻るボタンを実装
- 入力データの無害化を実装
- 任意のフォームを実装
これらの作業を前提とした場合のメリットデメリットを紹介します。
自社でコーディングして作成するメリット
自社で問い合わせフォームを作成した場合、デザインの自由度の高さがメリットとしてあげられます。
自社サービスに合わせたカスタマイズが可能なだけでなく、フォーム作成専用ツールを使った場合と比べると設置フォーム数の制限も気にすることなく導入が可能です。費用面でも人件費のみでまかなえるというのが利点です。
自社でコーディングするデメリット
自社でのコーディングにはデメリットも存在します。特に専門知識の有無や時間的コスト、継続的なセキュリティ対策などといった対策が厄介です。
コーディングでフォーム作成が完了した場合でも、セキュリティを維持するためには定期的にメンテナンスを必要とするなど、サイトの扱いに詳しい人材がいないと運営が困難になります。
お問い合わせフォームをWordPressのプラグインで作成する方法
自社サイトがWordPressで作られている場合、プラグインを利用して問い合わせフォームを簡単に作成することができます。今回は「Contact Form 7」を例に解説します。
- Contact Form7 インストールする
- プラグイン一覧から Contact Form7 の「設定」を選択
- 「コンタクトフォーム1」を選び、「編集」を選択
- 「フォーム」でカスタマイズ
- 「メール」で自動返信メール設定
- 「メッセージ」で送られるメッセージを設定
- 「その他の設定」で完了画面を設定
これらの手順を踏めば、誰でも簡単にフォームをサイトに設置することができます。
WordPressのプラグインで作成するメリット
プラグインの場合、専門知識がなくとも簡単な設定を行うだけで即座にお問い合わせフォームの設置が可能です。時間的・金銭的コストも大幅にカットすることができます。
また、カスタマイズ性に関しても色や簡単なデザイン変更であれば、初心者でも可能で、コーディングの知識が少しでもあれば細部の調節も可能です。
WordPressのプラグインで作成するデメリット
一方、プラグインのデメリットとして、入れすぎることでサイトの動作が重くなるといった懸念点があげられます。サイトの表示速度にも影響してくるため、ユーザーが使いづらいと感じて離脱する可能性もあります。
セキュリティ対策に至っても、プラグインは常に最新の状態にしておく必要があるので、バージョンアップの手間をかけたくない人には不向きでしょう。
お問い合わせフォーム作成ツールで作成する方法
フォーム作成ツールは、専門知識がなくとも問い合わせフォームが作成できるサービスのことで、問い合わせの管理を効率化する機能なども備わっています。有料版もありますが、無料でも高品質なツールが多数提供されています。
- フォーム作成ツールにログイン
- 管理画面で項目やテキストをカスタマイズ
- 生成されたコードをサイトに埋め込む
これだけでフォームをサイトに組み込むことができます。
お問い合わせフォーム作成ツールで作成するメリット
フォーム作成ツールの利点は即座にフォーム運営が行える部分にあり、セキュリティ対策などもまとめて利用できるため、初心者に非常に優しい設計になっています。
また、外部のチャットツールとの連携に対応したサービスも存在しているため、業務効率化にもおすすめです。
お問い合わせフォーム作成ツールで作成するデメリット
フォーム作成ツールは費用面においてデメリットが存在し、無料でも基本的なサービスは充実しています。しかし、機能制限がある場合、本格的な利用となれば有料の検討が必要です。
契約の有無なども視野に入れると、少し手間がかかるのもデメリットの1つです。
お問い合わせフォームの入力完了率をあげる3つの施策
新規顧客の獲得のためにも、お問い合わせフォームの入力完了率は重要なポイントです。以下の3つの部分を意識したフォーム作成を心がけましょう。
順を追って解説していきます。
1.フォーム項目数を減らす
フォームの理想的な項目数は5〜10と言われており、それ以上になってしまうとユーザーが離脱するリスクが高まってしまいます。
可能な限りユーザーの入力負担は削減するように心がけましょう。メールアドレスの確認や送り仮名の入力などは削減しても差し支えない場合、削除の検討を行ってもいいかもしれません。
2.EFO対策機能を利用する
EFO対策とは、入力フォームを最適化してユーザーの離脱を防ぐ対策のことです。EFO対策では入力項目を減らしたり、セキュリティの強化を行ったりすることで、フォームの効果を上げられます。
苗字と名前を1つの項目にまとめたり、セキュリティ対策が講じられている旨をフォームに記載するなど、ユーザーにとって利用しやすいフォーム作成を行うことで入力完了率の向上を目指しましょう。
≫≫ EFOとは?意味や活用例からマーケティング施策での成功事例を紹介
3.レスポンシブ対応を行う
インターネットを利用するユーザーの大半がスマートフォンやタブレットでのアクセスになります。
このことから、レスポンシブ対応によって、さまざまな環境下で快適にサイト閲覧が可能な状態にすることが求められています。お問い合わせフォームの入力に関しても同様で、デバイスに合わせて入力しやすいサイズになるように設計すれば利用者の離脱防止に繋がります。
お問い合わせフォームの作り方まとめ
お問い合わせフォームは、利用者がサイト運営者とスムーズにコンタクトを取るための最もシンプルな手段の1つであり、新規顧客の獲得にも繋がるきっかけを作るツールでもあります。
そのため、ユーザー離脱率を低減させるためにも、フォームの項目数の考慮やセキュリティ対策を視野に入れた使いやすく安心できる設計が理想とされます。
本記事ではフォーム作成の方法から入力完了率を上げる方法まで紹介しました。本記事を参考に自社サイトにお問い合わせフォームを導入してみてはどうでしょうか?