「入力フォームの離脱率が高くて困っている」「コンバージョン率を上げるにはどうすればいいの?」などと悩んでいませんか?
EFO(Entry Form Optimization)は、入力フォームの離脱率を下げるための手法です。適切なEFO施策を実施すれば、フォームの使いやすさが向上し、コンバージョン率を大幅に改善できます。
本記事では、EFOの基本概念から具体的な施策25選と、成功事例を詳しく解説します。EFOの重要性や効果的な実施方法を知れば、自社のWebサイトのパフォーマンスを向上させられるため、ぜひ参考にしてみてください。
EFOとは?
EFO(Entry Form Optimization)は、Webサイトの入力フォームを最適化し、顧客満足度を向上させる手法です。ユーザーの入力負荷を軽減し、フォーム完了率を高めることが主な目的です。
EFOはフォームデザインの改善や入力項目の最適化、エラー表示の工夫などの施策を含みます。結果として、コンバージョン率の向上やユーザー満足度の増加につながるのがEFOの特徴になります。
≫≫ EFOとは?意味や活用例からマーケティング施策での成功事例を紹介
EFOが重要視されている理由
EFOは、ビジネス成果に直結する重要な施策です。重要視されている理由をまとめると以下のとおりです。詳しく解説します。
フォーム離脱率を改善できる
EFOは、Webサイトの入力フォームを最適化するための施策のため、フォーム離脱率の改善につながります。ユーザーが入力を途中で諦める主な原因は、複雑なフォーム設計や不明確な指示です。
EFO施策により、入力項目の削減や明確な指示の提供が可能となり、ユーザーの心理的負担を軽減することが可能です。結果として、フォーム完了率が向上し、ビジネス機会の損失を防げます。
≫≫ EFOでフォーム離脱率を改善!EFOの重要性と改善ポイントを紹介
CVRが向上する
EFOの実施により、ユーザーフレンドリーなフォーム設計が可能です。ユーザが使いやすく視覚的にも見やすい設計は、潜在顧客を実際の顧客へと転換する確率を高めるため、CVR(コンバージョン率)の大幅な向上が期待できます。
CVRが向上すれば、広告費用対効果の改善にもつながります。同じ広告予算でより多くの成果を得られるため、マーケティング効率の最適化を図りたい場合におすすめの施策です。
EFOの効果的な施策25選
EFOには多様な施策が存在し、それぞれが顧客満足度向上につながります。ここでは、具体的な施策内容について見ていきましょう。
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入力項目を減らす
入力項目の削減は、EFOの基本かつ最も効果的な施策の1つです。不要な情報収集を避け、必要最小限の項目に絞れば、ユーザーの負担を大幅に軽減できます。
例えば、名前の入力を姓名一括にしたり、住所入力を郵便番号のみにするなどの工夫が必要です。入力項目の削減により、フォーム完了率の向上が期待できます。
入力項目は分割しない
入力項目の分割は、ユーザーに余計な手間を強いる要因となります。例えば、電話番号を市外局番や市内局番、加入者番号に分けて入力させる行為はユーザーの負担となるため避けるべきです。
1つの入力欄で完結させれば、ユーザーの入力ストレスを軽減し、入力ミスも減少させることが可能です。結果として、フォーム完了率の向上につながります。
入力フォームは一画面に収める
入力フォームを一画面に収めることは、顧客満足度向上に必要となる重要な要素です。スクロールをなくせば、ユーザーの離脱リスクを低減できます。
一画面設計により、ユーザーは入力の全体像を把握しやすくなります。結果として、入力への心理的抵抗が減少し、フォーム完了率の向上が期待できるのです。
入力フォームのタイトルをページタイトルと合わせる
入力フォームのタイトルとページタイトルを一致させる方法は、ユーザーの混乱を防ぐ効果的な手法です。一貫性のあるタイトル設定により、ユーザーは自分が正しいページにいるかをすぐ確認できます。
例えば、「会員登録フォーム」というページタイトルに対し、フォーム上部にも同じ「会員登録フォーム」というタイトルを表示したとしましょう。情報の一致により、ユーザーの安心感と信頼感が向上するため、結果としてフォームの入力完了率が向上します。
入力するメリットと所要時間を記載する
ユーザーに入力のメリットと所要時間を明示する方法は、心理的障壁を取り除く効果的な手法です。具体的なメリットを提示することで、ユーザーのモチベーションを高めることが可能です。
例えば、「会員登録で10%割引クーポンをプレゼント(所要時間約3分)」といった表示を行います。入力のメリットがまとめられた文章により、ユーザーは入力の価値と負担を事前に理解し、フォーム完了への意欲が高まります。
レスポンシブ対策を行う
レスポンシブデザインの採用は、多様なデバイスからのアクセスに対応するために不可欠です。スマートフォンやタブレットなど、画面サイズの異なる端末でも快適に入力できる環境を整える必要があります。
例えば、入力欄のサイズ調整やボタンの配置最適化など、デバイスごとの特性を考慮した設計が必要です。レスポンシブ対策により、どのデバイスからでも高い顧客満足度が期待できます。
安全であることを明記する
ユーザーの個人情報保護に対する懸念を払拭する方法は、信頼性向上の鍵となります。セキュリティ対策の実施状況を明確に表示すれば、ユーザーの安心感を高めることが可能です。
例えば、SSL証明書の取得やプライバシーポリシーへのリンク、セキュリティバッジの表示などが効果的です。安全性を示す情報提供により、ユーザーは安心してフォームに入力を行えます。
SNSなどの外部媒体と連携する
SNSアカウントを活用した簡易登録機能は、ユーザーの入力負荷を大幅に軽減する効果的な方法です。FacebookやGoogleアカウントなどとの連携により、必要な情報を自動取得することが可能です。
ただし、プライバシーへの配慮が不可欠で、ユーザーが連携を許可する情報の範囲を明確に示して選択肢を提供することが重要です。適切な連携設定により、ユーザビリティと信頼性の両立が可能となります。
フォーム一体型のページにする
フォーム一体型ページの採用は、ユーザーの離脱リスクを低減する効果的な手法です。商品説明やサービス詳細と入力フォームを同一ページに配置すれば、ユーザーの行動の流れを途切れさせません。
例えば、商品ページの下部に購入フォームを設置するなどの工夫が可能です。正しい設計により、ユーザーは情報確認から入力までをスムーズに行え、コンバージョン率の向上が期待できます。
入力フォームをステップ型にする
ステップ型フォームの採用は、ユーザーの心理的負担を軽減する効果的な方法です。大量の入力項目を一度に提示するのではなく、複数のステップに分割すれば、ユーザーは段階的に入力を進められます。
また、各ステップの進捗状況を明示することも重要です。例えば、「ステップ2/4」のような表示を行うことで、ユーザーは全体の流れを把握しやすくなります。
適切なステップ設計により、フォーム完了率の向上が期待できます。
チャット型の入力フォームにする
チャット型入力フォームは、ユーザーとの対話形式で情報を収集する手法です。従来の静的なフォームと比較して、よりユーザーとの対話をイメージしたやりとりが可能です。
例えば、「お名前を教えてください」「ご希望の商品カテゴリーは?」といった質問を順次表示し、ユーザーの回答に応じて次の質問を提示します。ユーザーは自然な流れで必要情報を入力でき、入力に対する心理的抵抗を軽減できます。
入力完了率を表示する
入力完了率の表示は、ユーザーのモチベーション維持に効果的な手法です。プログレスバーを用いて視覚的に進捗を示せば、ユーザーは入力の全体像と残りの作業量を把握できます。
例えば、「入力完了まであと20%」といった表示を行えば、ユーザーの達成感を高めることが可能です。適切な完了率表示により、フォーム途中での離脱を防ぎ、完了率の向上が期待できます。
入力復元機能を実装する
入力復元機能は、ユーザーの入力データを一時的に保存し、予期せぬ中断時にも再開を可能にする重要な機能です。ブラウザバックやセッションタイムアウトなどの際に、入力内容が失われるストレスを軽減できます。
例えば、自動保存機能を実装し、定期的に入力内容をローカルストレージに保存します。ユーザーが再度フォームにアクセスした際に、前回の入力内容を復元するオプションを提供すれば、ユーザビリティが向上する仕組みです。
必須項目と任意項目をわかりやすく区別する
必須項目と任意項目の明確な区別は、ユーザーの入力効率を高める重要な要素です。視覚的に明確な差異を設ければ、ユーザーは必要な情報を迅速に把握し、入力を進められます。
例えば、必須項目には赤いアスタリスク(*)を付けたり、背景色を変えるなどの工夫が効果的です。さらに、「必須」「任意」のラベルを明示的に表示すれば、ユーザーの理解が深まります。
入力例を記載する
入力例の提示は、ユーザーの入力ミスを防ぎ、フォーム完了までの時間を短縮する効果的な方法です。特定のフォーマットが求められる項目において、有用性が高まります。
例えば、生年月日の入力欄に「1990/01/01」といった具体的な例を示せば、ユーザーは迷うことなく正しいフォーマットでの入力が可能です。入力例の適切な提示により、エラー発生率の低減とユーザビリティの向上が期待できます。
入力データのエラー表示をリアルタイムで行う
リアルタイムでのエラー表示は、ユーザーの入力ミスを即座に修正する機会を提供する重要な機能です。フォーム送信時ではなく、各項目の入力直後にバリデーションを行えば、ユーザーのストレスを軽減できます。
例えば、メールアドレス入力欄で@マークが抜けている場合、即座に赤字でエラーメッセージを表示します。即時フィードバックにより、ユーザーは迅速に修正を行え、フォーム完了までの時間短縮につながる仕組みです。
住所やメールアドレスの自動入力を実装する
自動入力機能の実装は、ユーザーの入力負荷を大幅に軽減する効果的な方法です。複数の入力項目が連動する住所情報などにおいて、有用性が高まります。
例えば、郵便番号を入力すると自動的に都道府県、市区町村が補完される機能を実装します。ブラウザの自動入力機能と連携すれば、過去に入力したメールアドレスなどを簡単に再利用することが可能です。
入力サジェスト機能を実装する
入力サジェスト機能は、ユーザーの入力効率を大幅に向上させる効果的な施策です。メールアドレスや住所など、入力ミスが発生しやすい項目において有用性が高まります。
例えば、メールアドレス入力時に「@」以降のドメイン候補を表示したり、住所入力時に郵便番号から住所候補を提示します。入力サジェスト機能により、ユーザーは全ての情報を手入力する必要がなくなり、入力時間の短縮と入力ミスの防止につながる仕組みです。
半角自動変換機能を実装する
半角自動変換機能は、ユーザーの入力負担を軽減し、データの一貫性を保つ効果的な方法です。メールアドレスや電話番号など、半角入力が求められる項目で有用性が高まります。
例えば、ユーザーが全角で入力した場合でも、自動的に半角に変換される仕組みを実装します。ユーザーは入力形式を意識することなく情報を入力できるため、入力ミスの減少とフォーム完了率の向上が期待できる仕組みです。
選択項目はラジオボタンにする
選択項目をラジオボタンで表示することは、ユーザーの選択をスムーズにする効果的な方法で、選択肢が少ない場合に有効です。ラジオボタンは一目で全ての選択肢を把握でき、クリックひとつで選択が完了するため、ユーザビリティが高まります。
例えば、性別選択や年齢層の選択などで活用が可能です。視覚的に分かりやすく操作も簡単なため、ユーザーのストレスを軽減し、フォーム完了率の向上につながります。
選択項目が多い場合はプルダウンにする
選択項目が多数ある場合、プルダウンメニューの使用が効果的です。画面スペースを節約しつつ、多くの選択肢を提示できるため、ユーザビリティと視認性のバランスが取れます。
例えば、都道府県の選択や職業の選択などで活用できます。ただし、選択肢が非常に多い場合は検索機能付きのプルダウンを採用するなど、さらなる工夫が必要です。
適切なプルダウン設計により、ユーザーの選択効率が向上し、フォーム完了率の改善が期待できます。
他ページへのリンクは極力避ける
入力フォーム内での他ページへのリンクは、ユーザーの離脱リスクを高める要因となるため、極力避けるべきです。フォーム入力に集中できる環境を整えることが、完了率向上の鍵となります。
例えば、利用規約といった必要不可欠な情報へのリンクを設ける場合は、新しいタブで開くよう設定してメインの入力画面を維持します。ユーザーは必要な情報を確認しつつ、スムーズにフォーム入力を継続することが可能です。
確認画面をなくす
確認画面の省略は、フォーム完了までのステップ数を減らし、コンバージョン率を向上させる効果的な方法です。ただし、入力ミスのリスクを考慮する必要があります。
代替策として、入力中のリアルタイムバリデーションを強化し、送信前に入力内容の最終確認を促すポップアップを表示するなどの工夫が有効です。ユーザーの入力負担を軽減しつつ、正確性も担保できる手法です。
フォームの離脱防止ポップアップを実装する
フォームからの離脱を防ぐポップアップは、ユーザーの再考を促す効果的な手段です。ただし、過度な使用はユーザーの不快感を招く可能性があるため、適切な設計が重要です。
例えば、「入力内容は保存されません。本当に離れますか?」といったメッセージを表示し、継続オプションを提供します。機能を活用すれば、不用意な離脱を防ぎ、フォーム完了率の向上が期待できます。
フォーム送信ボタンの視認性を高める
送信ボタンの視認性向上は、フォーム完了の最終段階で重要な役割を果たします。ユーザーの目に留まりやすく、クリックしやすいデザインを採用すれば完了率の向上が期待できます。
例えば、コントラストの高い色使いや適切なサイズ設定、「送信する」などの明確なラベル表示が効果的です。さらに、ボタンの周囲に十分な余白を設ければ、誤タップを防いでスムーズな完了が促進されます。
EFOで入力フォームを最適化できた成功事例
EFOの実施により、多くの企業がフォーム完了率の向上やコンバージョン率の改善を実現しています。ここでは、具体的な成功事例を紹介します。
フォームの長さを改善して申込み完了率が131%した改善事例
関西みらい銀行がフォームの長さを改善した結果、申込み完了率が向上したという事例があります。
元々、申し込みローン申し込みフォームの「個人情報の取り扱いに関する同意事項」が長すぎる点が課題としてありました。長い文章をスクロールした後、同意のチェックボックスにチェックを入れなければ、次のステップに進めない仕様だったのです。
問題に対し、同意画面の必須項目の表示領域を見やすくし、任意の確認事項はアコーディオン方式にまとめるという改善を行いました。結果、同意画面が非常にシンプルになり、ユーザーの負担が大幅に軽減されています。
結果として、フォームの申し込み完了率が131%も改善されるという大きな成果を上げれた事例です。
フォーム一体型にして申込み完了率が14%アップした改善事例
山陰合同銀行がフォーム一体型にした結果、申込み完了率が向上したという事例があります。
山陰合同銀行は元々、ローンのシミュレーション機能とローン申し込みフォームが別々のページに設置されていた点が課題でした。今の構造では、シミュレーションを行ったユーザーをスムーズにローン申し込みへ導くことが難しい状況だったのです。
改善策として、ローンシミュレーション機能をランディングページ内に移管し、フォーム一体型のページに変更しました。さらに、ユーザーが一度離脱しても再訪問時に過去のシミュレーション内容が自動的に表示されるよう改善を加えています。
施策により、ユーザーはシミュレーションからローン申し込みまでをシームレスに行えるようになっています。結果として、入力フォームの申し込み完了率が14%アップするという成果を上げられた事例です。
≫≫ EFO事例9選!離脱率やCVR改善を実現した成功事例を公開
EFOの施策まとめ
EFOは、ユーザビリティの向上とコンバージョン率の改善を実現する重要な施策です。本記事で紹介した25の施策を実施すれば、入力フォームの最適化につながります。
効果的なEFO実施のためには、自社のWebサイトやユーザー特性に合わせた適切な施策の選択と組み合わせが重要です。また、継続的なA/Bテストや分析を通じて、常に改善を重ねていくことが成功の鍵となります。
EFOを通じて、ユーザーフレンドリーなフォーム設計を実現し、ビジネス成果の向上につなげましょう。