「お問い合わせフォームにスパムメールが届く原因は?」「効果的なスパム対策方法は?」などと悩んでいませんか?
スパムメールは、botによる攻撃や自社ドメインの悪用が原因で送られます。対策として、reCAPTCHAの導入やIPアドレスの制限などが効果的です。
本記事では、お問い合わせフォームにスパムメールが送られる原因や、具体的なスパム対策方法を詳しく解説します。スパム対策を行う際の注意点もまとめているため、ぜひ参考にしてください。
お問い合わせフォームのスパムとは?
お問い合わせフォームのスパムとは、無差別に大量に送信される迷惑メールです。スパムメールの送信者は受信者の意向を無視して、ウイルスや不正なサイトへのリンクが含まれるメールを問い合わせフォームに送ります。
サイバーソリューションズ株式会社の調査によると、勤務先のメールで24%の人が1週間に1回以上はスパムメールが届くと回答がありました。
引用元:PR TIMES
約1割の人に「スパム」「なりすまし」「不審な添付ファイル付き」メールが週1回以上届いています。スパムの目的は多岐にわたり、単なる広告から悪意のあるリンクの拡散、個人情報の収集まで様々です。
スパムはウェブサイトの信頼性を損なうだけでなく、顧客からの問い合わせの見落としにつながる可能性があります。そのため、適切な対策を講じることが重要です。
参考:企業のメールのセキュリティ対策の導入率「フィッシング対策」、「なりすまし対策」が5割前後と一般化が進む|PR TIMES
お問い合わせフォームのスパム対策を怠った時の危険性
お問い合わせフォームのスパム対策を怠ると、企業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。主な危険性は以下の通りです。
下記のリスクは企業の業務効率を低下させるだけでなく、顧客データの流出や企業イメージの悪化につながる恐れもあるため注意が必要です。それぞれ詳しく解説します。
ウイルス感染リスク
スパムメールを介したウイルス感染は、企業のシステムに深刻な被害をもたらす可能性があります。ウイルスに感染すると、端末内のデータが破壊されたりする危険性があるため注意が必要です。
例えば、「エモテット」と呼ばれるウイルスは正規のメールを装って送られてくるため、気づかずに感染してしまうケースが多く報告されています。感染した端末が外部から遠隔操作される可能性もあり、知らぬ間に加害者となってしまうリスクも存在します。
そのため、ウィルスに感染しないためにも適切なスパム対策が不可欠です。
情報漏洩リスク
スパムメールを開いてしまうと、情報が外部に漏れる恐れがあるため注意が必要です。スパマー(スパムメールを送る人)は正規の企業を装ったメールを送り、受信者を偽のウェブサイトに誘導して個人情報を入力させようとします。
スパムメールによる被害は甚大で、2023年12月時点ではフィッシングメールやSMSによる被害が過去最悪となりました。スパムメールに添付されたマルウェアによって、企業のデータベースに不正アクセスされる可能性もあります。
参考:全国銀行協会
信頼低下リスク
お問い合わせフォームのスパム対策を怠ると、企業の信頼が大きく低下する可能性があります。顧客や取引先は、セキュリティ対策が不十分な企業との取引を避ける傾向があるからです。
もしスパムメールによる情報漏洩が発生した場合、企業の評判が急速に悪化する可能性が出てきます。スパムメールの影響で、重要な顧客からの問い合わせに迅速に対応できない点も信頼低下につながる要因です。
顧客満足度の低下は、長期的な取引関係や新規顧客の獲得に悪影響を及ぼす可能性があります。
お問い合わせフォームにスパムメールが送られる原因
スパム対策を実行するためにも、お問い合わせフォームにスパムメールが送られる原因を知っておく必要があります。主な原因は、以下の通りです。詳しく解説します。
botによる悪意のある攻撃
botによる悪意のある攻撃は、お問い合わせフォームを狙うスパムメールの主な原因の1つです。botとは自動化されたプログラムを指し、人間の手を介さずに大量のメッセージを送信できます。
botは人間が手動で行う場合と比べ、1日に数万通ものスパムメールを送信することが可能です。1日に10万件以上のスパムメッセージを送ることも可能で、botはフォームの入力欄を自動的に識別し、不正なデータを入力します。
中には、セキュリティを回避するための高度なアルゴリズムを使用するbotもあるため、高いセキュリティ対策を実施する必要があります。
送信元が自社ドメイン
送信元を自社ドメインと偽装する方法は、問い合わせフォームにスパムメールを送る手法の1つです。自社ドメインの偽装は受信者の信頼を悪用する行為であり、見破るのが困難な手法です。
自社ドメインを偽装する理由は、多くの企業が採用しているSPFやDKIMといったドメイン認証技術を回避するためです。お問い合わせフォームを経由してメールを送信されると、ドメイン認証技術を活用したとしても、自社から送信されたものとして認識されてしまいます。
自社のドメインを偽装したスパムメールにより、顧客の個人情報が流出する事件も発生しています。情報漏洩を防ぐためには、お問い合わせフォームの自動返信機能を慎重に設定しなくてはいけません。
効果のあるお問い合わせフォームのスパム対策5選
お問い合わせフォームのスパム対策を行うのであれば、効果的な方法を実行する必要があります。以下に具体的な方法をまとめました。詳しく解説します。
1. reCAPTCHAの導入
reCAPTCHAは、Googleが提供する強力なスパム対策ツールです。ツールを導入すれば人間とbotを区別し、自動送信されるスパムメールを大幅に減らせます。
reCAPTCHAの最新バージョンであるv3では、ユーザーの行動を分析してスコアを算出し、スコアに基づいてボットかどうかを判断します。結果、ユーザーの負担を最小限に抑えつつ、高度なスパム対策を実現することが可能です。
2. WordPressのスパム対策プラグインの活用
WordPressを利用している場合、スパム対策に特化したプラグインを活用すれば、効果的にスパムメールを防げます。代表的なプラグインとしては「Akismet」が挙げられますが、商用利用の場合は有料となる点に注意が必要です。
スパム対策用のプラグインはスパムの特徴を学習し、自動的にスパムを識別して排除します。管理画面からスパムの傾向を確認したり、フィルタリングの設定を調整することも可能です。
3. フォームに必須項目や確認画面の追加
フォームに必須項目や確認画面を追加すれば、スパムbotによる自動送信を防ぎます。氏名やメールアドレス、問い合わせ内容などを必須項目として設定し、送信前に確認画面を表示するようにします。
スパムメールが届くのを防ぐため、ウィルス感染や情報漏洩リスクを避けることが可能です。ユーザーにとっても入力内容を確認する機会が増えるため、誤送信を防ぐ効果もあります。
4. アクセス元のIPアドレスやドメインの制限
特定のIPアドレスやドメインからのアクセスを制限すれば、スパム送信元からの攻撃を防げます。IPアドレスやドメインの制限は、同じ送信元から繰り返しスパムが送られてくる場合に効果的です。
たとえば、Webサーバーの動作を制限できる.htaccessファイルを使用すれば、アクセス制限を設定できます。他にも、フォームの送信処理でIPアドレスやドメインをチェックしたりする手法も対策の1つです。
5. メールアドレスの暗号化
メールアドレスを暗号化すれば、スパムbotによるメールアドレスの収集を防げます。主には、ウェブサイト上にメールアドレスを掲載する必要がある場合に有効な対策です。
暗号化するには、JavaScriptを使用してメールアドレスを動的に生成する方法や、画像化する方法などがあります。また、メールアドレスの代わりにお問い合わせフォームへのリンクを設置するという方法も考えられます。
スパム対策を行う際の注意点
スパム対策を実施する際は、以下の点に注意しましょう。詳しく解説します。
ユーザビリティを考慮する
スパム対策を実施する際は、ユーザビリティを考慮することが非常に重要です。過度に複雑な認証システムや煩わしい入力フォームは、ユーザーの離脱を招く可能性があります。
たとえば、reCAPTCHAを導入する場合、最新のv3を使用すればユーザーの操作を必要としない形でボット判定を行うことが可能です。フォームの必須項目を設定する際も、本当に必要な情報のみを要求し、ユーザーの負担を最小限に抑えることが大切です。
ユーザーの声を聞き、必要に応じて改善を加えることで、スパム対策とユーザビリティのバランスを取れます。
複数のスパム対策は組み合わせる
効果的なスパム対策を実現するためには、複数の方法を組み合わせることが重要です。単一の対策だけでは、スパマーの進化する手法に対応しきれない可能性があります。
たとえば、reCAPTCHAの導入とIPアドレスの制限を組み合わせればより強固な防御を構築できます。フォームの必須項目設定とメールアドレスの暗号化を併用すれば、異なる角度からスパムを防ぐことが可能です。
ただし、過度に多くの対策を導入するとサイトのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があるため、バランスを取ることが重要です。
プラグインに頼りすぎない
WordPressのスパム対策プラグインは便利ですが、過度に依存することは避けるべきです。プラグインの数が増えるほど、サイトの読み込み速度が遅くなり、セキュリティリスクも高まる可能性があります。
代わりに、WordPressの標準機能やサーバー側の設定を活用しましょう。コメントの承認制やアクセス制限などは、プラグインを使わずに実装できます。
使用するプラグインは定期的に更新し、不要になったプラグインは速やかに削除することが重要です。
お問い合わせフォームにおけるスパム対策のまとめ
スパムメールは、botによる攻撃や自社ドメインの悪用が原因で送られます。対策として、reCAPTCHAの導入やIPアドレスの制限などが効果的です。
スパム対策を実施する際には、ユーザビリティを考慮しつつ複数の対策を組み合わせることが大切です。ぜひ本記事を参考にして、お問い合わせフォームにおけるスパム対策を実施してみてください。