グーグル広告において、「最適化されたターゲティング」と呼ばれる機能をご存知でしょうか。
Webマーケティングをおこなう上で、顧客のターゲット層を絞り込むことは売上向上のために重要な要素の１つとなります。
的確な顧客へ向けた訴求は、購買に繋がる可能性が高くなり、効率の良い広告運用ができるでしょう。
そんな重要な作業を自動で行ってくれる機能が、「最適化されたターゲティング」です。
本記事では、こちらの機能について詳しく解説する内容となっております。
ぜひ最後までご覧ください。
【Google広告】最適化されたターゲティングとは？
この機能を利用することで、広告内容に対して関心度合いが高い新規顧客を、自動的に選定してターゲティングできます。
自動選定の基準は、グーグル側のシグナルを利用して行われますので、購買につながる可能性が高い顧客を的確に選定できるのです。
また、シグナルに関しては、LPなどのキーワード情報を用いることになります。
通常であれば幅広い顧客に対してアプローチする必要がありますが、この機能を利用することで効率的な運用が実現できるでしょう。
現状では、以下の内容にてこちらの機能を利用できます。
- ディスプレイ
- ファインド
- 動画
広告配信のターゲティング自動化機能
グーグル広告のヘルプページに記載されている内容から、本機能の内容についてより詳しく確認してみましょう。
ヘルプページ上には、以下の記載があります。
最適化されたターゲティングを使用すると、キャンペーンの目標に基づいて、コンバージョンに至る可能性が高く、関連性の高い新規のユーザーにリーチできます。また、手動で選択したオーディエンス セグメントの枠外にキャンペーンのリーチを広げ、これまで逃していた可能性のあるオーディエンス セグメントを取り込んでキャンペーンの成果を高めることが可能です。
引用元：最適化されたターゲティングについて
つまり、これまでの広告配信から学習した内容を活用して、ターゲティングを自動化できるということとなります。
このように、本機能はより効率的な広告運用をおこなう上で欠かせない機能と言えるでしょう。
【今さら聞けない】ターゲティングとは？
この用語は一般的にはマーケティング用語として使用されます。
通常、興味関心の内容が人それぞれ違うため、全ての人が同じ商品を購買してくれることはありません。
そのため広告内容を訴求したい層をある程度絞り込む必要があるのですが、それらを絞り込む作業をターゲティングと言います。
これには性別の違いや、年齢層など様々な属性を考慮する必要があります。
広く浅く、市場の全てを顧客と想定した商品に明確な特徴を持たせることは難しくなります。
そのため、「この商品、広告内容はこんな人に対して訴求したい」と事前に顧客を絞り込む必要があるのです。
【最新】アップデートで最適化案が追加された
2022年1月31日に本機能はアップデートされました。
以前まで、「最適化案」と呼ばれる機能は以下のキャンペーンに限られていました。
- 検索
- ディスプレイ
- 動画
今回のアップデートによって、上記に加えて「ファインド」キャンペーンにおいても、最適案を使用できるようになりました。
さらに動画においても、新機能が搭載されました。
追加された内容は、以下の3点となっております。
- 商品フィードの設定
- グーグルアナリティクス4の設定
- コンバージョントラッキングをアップデート
このように、今回の追加によって従来よりも幅広い運用が可能となったと言えるでしょう。
【今さら聞けない】最適化案とは？
こちらはグーグル広告のアカウントにおいて、過去に配信された広告データ、検索トレンドを元に、より良い成果を達成できるように設定案が改善される仕組みです。
本来広告運用では、反応率などの情報を元に分析、改善を繰り返す必要があります。
しかし、この機能を利用することで適切なKWの追加といった改善作業を自動的におこなえるのです。
通常であれば膨大な時間を必要とする作業ですが、自動化することで短時間での成果改善が期待できるでしょう。
機能の概要
本機能の概要については、主に以下の内容があげられます。
- 目標とする数値に対し、購買の可能性が高い新規顧客に訴求できる。
- 広告配信の学習機能を元に、広告を表示させる顧客幅を拡大できる。
- 反応率をリアルタイムで確認し、内容に基づいて顧客層を拡大できる。
使用できる広告については、前述したように「検索」「ディスプレイ」「動画」に加えて、「ファインド」の4種類となっています。
上記の内容の通り、基本的にこの機能はグーグル広告の自動学習機能を元に運用されます。
そのため、人の手でおこなうターゲティングと比較して、より的確かつ短時間での訴求が可能となるでしょう。
購買の可能性が高い新規顧客を幅広く掘り起こせることは、多くの運用者にとって多大なメリットがあるはずです。
さらに反応率をリアルタイムで監視しながら、随時適切な運用が可能となるのです。
ターゲティングシグナルの設定も可能
ターゲティングシグナルとは、KWやオーディエンスといった配信先を設定させることです。
「最適化されたターゲティング」を運用している場合でも、この設定をおこなうことが可能となります。
さらにターゲティングシグナルとは、新規顧客を選定する上での基準となります。
そのため、運用前にある程度訴求したい顧客層が明確になっている場合には、この機能を設定しておくと良いでしょう。
【Google広告】最適化されたターゲティングのスコアとは
本機能には「スコア」と呼ばれる数値が存在しています。
この数値は、グーグル広告のアカウント設定が、どの程度で最適化されているのかを示すものであり、高ければ高いほどそのアカウントパフォーマンスが優れていると言えます。
こちらでは、そんな「スコア」について解説していきます。
利点もありますが、注意しなければいけないポイントもありますので、しっかりと把握しておきましょう。
Google広告の最適化スコアとは
グーグル広告のヘルプページによると、このスコアについて以下のように記載されています。
最適化スコアとは、Google 広告アカウントの設定がどの程度最適化されているかを示す推定値です。スコアは 0～100% で示され、100% であればアカウントが最大限のパフォーマンスを発揮できていることを意味します。スコアとともに、各キャンペーンを最適化するのに役立つ最適化案のリストが表示されます。各最適化案には、その案を適用したときの最適化スコアへの影響がパーセンテージで表示されています。
引用元：最適化スコアについて
この数値はこれまでの統計情報、設定など複合的なステータスを元にして、リアルタイムに計算されています。
ご自身のアカウントスコアを確認したい場合は、以下のリンク先よりご確認ください。
おおよその基準としては、スコア85％以上を目安にすれば良いと言われています。
万が一この数値を下回っている場合は、何らかの対策をおこなう必要があるかもしれません。
最適化スコアの利点
この数値に関する利点については、主に以下の内容があげられます。
- スコアが高ければ運用が上手くいっていると確認できる
- スコアが低ければ改善点や伸びしろがあると確認できる
基本的に数値が高ければ高いほど優れていると言えます。
そのため、万が一スコアが低い場合でも改善点があるということで、さらに良い運用ができる余地が残っていると判断できるでしょう。
しかし、この数値はあくまでグーグル広告の仕様によって算出されています。
つまり、実際の目標は達成していないけれども、数値は高い場合もあるということです。
またその反対も然りですので、その場合は広告予算を増額するなどの検討ができるでしょう。
最適化スコアの注意点
注意点については、主に以下の内容があげられます。
・スコアと成果は必ずしも連動しない
・あくまでも参考値として考える必要がある
前述したようにスコアが高い場合において、必ずしも目標を達成しているとは限りません。
あくまでグーグル広告の仕様による数値でしかありませんので、あまりにこだわり過ぎないよう注意しましょう。
そのため導入の有無については、現在のアカウント状況などを考慮した上で検討した方が良いかもしれません。
【Google広告】最適化されたターゲティングのメリット・デメリット
それでは、本機能を導入することでのメリット、またデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
こちらではそれぞれの内容について詳しく確認、解説していきます。
最適化されたターゲティングのメリット
導入することによるメリットは、主に以下の内容があげられます。
このように、やはり新規顧客の掘り起こしという面では、大きなメリットを有していると言えるでしょう。
チーム内で考えるターゲティングは適切な場合も多いですが、人間の頭では考えが偏ってしまったり、固定概念が邪魔をして顧客層を無意識に絞り込んでいることもありえます。
本機能を利用することで、機械学習を元にした効率的な運用が可能となり、これまで想定していなかった層や、訴求が漏れていた層へのアピールが実現できるでしょう。
つまり、既存の売上に限界を感じている場合や、新規販路や顧客を獲得したいというケースでは多大なる恩恵を受けることが期待できます。
最適化されたターゲティングのデメリット
一方で、デメリットについては以下の内容があげられるでしょう。
・顧客層の内訳などの詳細が把握できない
・通常時で機能が有効となっているため、想定外の広告が配信される可能性がある
自動で最適化された顧客へ訴求できることがメリットではありますが、その反面どのような層へアプローチしたのかを把握できません。
つまり、万が一成果が悪化した場合の対策が難しくなる上に、上手くいった場合でも今後に繋がる分析ができないということです。
また通常時から機能が有効となっていますので、もし想定する顧客が明確であった場合、無効にしていなければ見当違いの配信をする恐れがあります。
そのため機能の有効、無効については念入りに確認する必要があるでしょう。
【Google広告】最適化されたターゲティングの設定方法
最後に、実際に本機能を設定する方法について解説していきます。
ここまでの内容を元に、導入すべきと判断された場合は記載の手順に沿って導入を進めてみてください。
それぞれ「既存」と「新規」に分けて解説しますので、適切なものを確認しましょう。
既存キャンペーン
既存に関しては、以下の手順に沿って設定しましょう。
- 広告グループを選択
- 「設定」から「広告グループのターゲット設定を編集」をクリック
- 「最適化されたターゲティング」をオンにする
既存では、もし「ターゲットの拡張」を設定していた場合、基本的に本機能は有効になっています。
一度確認した上で、万が一無効になっていれば設定を進めてみましょう。
新規キャンペーン
新規に関しては、以下の手順に沿って設定しましょう。
- 「新規キャンペーンを作成」を選択
- 「キャンペーンの目標」から「ディスプレイ」を選択
- 「通常のディスプレイキャンペーン」を選択
- ターゲットの設定をおこなう
基本的に、新規でキャンペーンを作成する上で本機能は通常で有効となっています。
そして、想定する顧客層を追加したい場合には、「ターゲティングを追加」へ進み設定します。
内容については、以下の中から設定できますので適切なものを選択しましょう。
- オーディエンスセグメント
- ユーザー属性
- キーワード
- トピック
- プレースメント
まとめ
グーグル広告における「最適化されたマーケティング」について解説しました。
新規顧客の獲得や、想定していなかった購買層への訴求には最適な機能となっています。
一方で訴求した層が不明であり、分析作業に繋げられないといった側面も含んでいます。
しかし適切に運用すれば、これまで以上の広告成果に繋がることが期待できる機能です。
本記事の内容を参考に適切な運用をおこない、成果の向上に繋がりましたら幸いです。
