Web広告を代表するリスティング広告は、クリック単価によってその運用費用が決定されます。
しかしながら相場については設定するKWや業界によって様々ですので、高額になりやすいジャンルに手を出してしまえば予算を大きく上回る可能性もあります。
また効率の良い広告運用もできないこととなり、高額な費用に見合った効果を得られない場合もあるでしょう。
今回の記事はそんなリスティング広告における単価について、その相場や調べ方について解説する内容となっています。
一読いただければこれまでとは違った目線、考えた方で広告を運用できるかもしれません。
ぜひ最後までご覧ください。
リスティング広告のクリック単価とは?
そもそもリスティング広告を運用するにあたってこの単語は普段から耳にすることや、使用する場面も多いかもしれません。
しかし、具体的に説明するとなると、意外と返答に困ってしまうかたもいらっしゃるかもしれません。
そこでこちらでは、以下の項目に分けて単価に対する基本を解説していきます。
【今さら聞けない】リスティング広告とは何か?
まずは基本中の基本となる、リスティング広告から確認していきましょう。
これはグーグルやヤフーに代表される検索ツールによって、顧客が入力したKWに応じて表示されるWeb広告のことです。
検索結果画面において、通常記事よりも上位に表示されることになるため、クリック率が高くなりやすいことが特徴となっています。
一般的には以下の項目に分けて表示され、顧客はテキスト内容からそのリンク先の概要を読み取ることが可能となるのです。
- 広告の見出し
- URLの詳細
- 内容の説明文
- その他の表示オプション
そのため訴求したい商品やサービスの申し込みやお問い合わせ、資料請求といったアクションを目的として運用されることが多くなります。
【クリック単価とは】1クリックで発生する費用
この広告は単に掲載や表示された回数ではなく、広告を見た顧客がリンクをクリックした場合にのみ料金が発生します。
この形式は「クリック課金方式」と呼ばれており、成果が出たときのみ広告費用が発生するため、非常に費用対効果の高い課金方式とされています。
こちらは「CPC(Cost Per Click)」と記載されることもありますが、基本的には以下の公式で求めることができます。
発生した広告費用÷クリック数
仮に、広告費用の合計が50万円だった時に、クリック数が3,000回だったとしましょう。
その場合、上記の公式に当てはめて計算すると「約166円」が1クリックあたりの単価であると割り出すことができます。
この単価が低ければ低いほど、その広告の費用対効果が高かったと判断できるのです。
実際の単価はオークション形式によって決定されます。
つまり、人気のKWや時事的に注目されやすいKWなどの場合は、金額が高くなる傾向にあります。
一方で出稿数が少ないKWなどについては安くなりますので、ニッチなニーズを想定する場合などでは効率的な運用が可能となるかもしれません。
上限クリックと平均クリックがある
それぞれの内容については、主に以下のように分けられています。
- 上限クリック:1クリックに対して運用者が支払える広告費用
- 平均クリック:広告費用の結果から算出した結果
上限については、運用者の管理画面よりKWごとの設定が可能であり、別名「入札単価」と呼ばれることもあります。
対して平均については単なる結果となりますので、運用者が調整できる数値は上限クリックに対してのみです。
上限の場合は設定した金額以上を支払うことはありませんので、予算の管理が用意になるメリットがあるでしょう
また、仮に上限を100円にしていた場合でも、それ以下の50円や99円など下回った金額で入札される可能性もあります。
【リスティング広告】クリック単価の決まり方
通常から人気のKWや、社会情勢と言った時事的な要因から注目を浴びるKWなどでは高額になりやすいと前述しました。
その一方で需要がそこまで高くないKWなどについては、単価が低くなる傾向にあります。
それでは実際に単価が決定される方法について、以下の内容に沿ってそれぞれ解説していきます。
リスティング広告のクリック単価は「オークション方式」
基本的に単価は「オークション方式」によって決定されます。
内容としては、複数KWに対し多くの出稿があった場合、より広告ランクが高いものが優先して表示されることになります。
そして、広告ランクについては以下の内容を元にして決定されます。
- 入札単価:上限クリック単価
- 品質スコア:推定のクリック率や広告の関連性、LPの内容などから評価
- 広告表示オプション:利用しているか否か
実際の単価については、以下の公式を元に算出されます。
自社広告の1つ下に位置する広告のランク÷自社広告の品質スコア+1
このように、広告の品質スコアが単価決定に及ぼす影響は大きいと言えるのです。
つまり効率的な運用をおこなうためには、潤沢な予算に物を言わせた金額面だけではなく、広告としての総合的な質が求められるのです。
業種+検索ボリュームで単価は変動する
人気のあるKWや注目が集まるKWについては、単価が高騰する傾向にあると前述しました。
また業界によってはWeb広告を積極的に出している企業が複数存在していることもあり、その場合には基本的なKWの金額は高くなっている可能性があります。
通常「ビッグキーワード」と呼ばれるKWについては1単語だけで出稿した場合、中々表示されない場合もあるでしょう。
対策としては、ビッグキーワードに加えて2語、3語と語句を組み合わせることをおすすめします。
例えば、一般的なビッグキーワードとして「格安スマホ」があげられます。
このKWだけでは競合他社に競り負けてしまうことが想定されるため、「格安スマホ 50代」や「格安スマホ 50代 関東」など、より範囲を狭めることで単価を下げられます。
さらに表示される可能性も上がりますので、様々な側面から検索が想定されるKWを考えてみましょう。
【豆知識】広告の上位表示が決まる仕組み
通常のオークションであれば、単純に高い金額を提示した顧客が対象商品を落札できますが、上記のようにリスティング広告における評価対象は金額だけではありません。
そのため単に上限を高額に設定したからと言って、必ずしも表示されるとは限らないのです。
ヤフー広告の場合では比較される指標のことを「オークションランク」と呼んでいるように、広告自体の総合的な評価が重要となるのです。
リスティング広告のクリック単価相場
ここからは単価の相場について、以下の内容にそってより詳しく解説していきましょう。
また、現在の日本においてWeb広告はグーグルとヤフーの2社がほとんどのシェアを占めています。
それらについての解説に加えて、ディスプレイ広告に関しても触れていきます。
業界別のクリック単価相場
Web広告を運用している企業が多い業界については、高額となる可能性が高いことは前述した通りです。
しかし、実際どの業界がどの程度高いのか、もしくは安いのかといった相場観をイメージすることは難しいでしょう。
全体的な相場として言われる金額は、1クリック辺り50円〜1,000円程度と大きく差が開いているため当てにできません。
そこで、アメリカの企業「Wordstream」が過去に調査した、グーグル広告における業界別単価を確認してみましょう。
以下にそれぞれの業界と、1クリック辺りの相場単価を記載していきます。(※1ドル=140円にて換算)
自動車 | 317円 |
アパレル | 372円 |
フィットネス | 561円 |
教育 | 552円 |
金融保険 | 640円 |
就職 | 552円 |
法律 | 1214円 |
不動産 | 190円 |
食品 | 258円 |
参考:https://www.wordstream.com/online-advertising-benchmarks
このように法律、金融といった高額となりがちな業界の単価は高い傾向にあることが分かります。
あくまで平均ではありますが、これから設定するKWや広告内容を検討する上で参考になる部分はあるかもしれません。
クリック単価の違い
「Wordstream」が調査した例のように、相場については業界によって大きく差があります。
さらには人気KWなどによっても違いが出てくることは、何度もお伝えしている通りです。
そこで、以下のような対策を考えた方もいらっしゃるかもしれません。
「グーグル広告で高いKWでも、ヤフー広告なら安価に出稿できるでは?」
「ディスプレイ広告であれば、安価に出稿できるのでは?」
実際、それぞれの対策は上手くいくのでしょうか。
以下で解説していきます。
Google広告とYahoo広告
結論として、グーグルもヤフーも金額に差はないと考える必要があります。
つまり、どちらへ出稿しても基本的には単価に変動はありません。
なぜなら、多くの企業が両サービスを利用していることが多く、どちらかに偏るということが無いからです。
しかし、KWの中には稀にどちらかの方が単価が安いというケースもありますので、必ずしも同じであるとは言い切れません。
特にニッチなKWであれば、その可能性は高くなりますので、出稿を検討する場合は事前にそれぞれの相場を調査してみることをおすすめします。
リスティング広告とディスプレイ広告
ディスプレイ広告についても、クリックごとで費用が決定される場合があります。
そして費用相場については1クリック辺り50円〜100円程度となっており、業界やKWによる差が大きくないように感じます。
しかし、ディスプレイ広告の場合はリスティング広告と比較した時、最終的な成果であるCVR(コンバージョン率)が低くなる傾向になります。
つまり、安く運用できるかもしれませんが、それなりの成果しか望めないということです。
ケースバイケースではありますが、顧客に確実に訴求した上でCVRの向上を目的とするのであれば、多少高額となる可能性があってもリスティング広告へ出稿した方が良いと言えるでしょう。
【リスティング広告】クリック単価相場の調べ方
「出稿したい広告KWの相場が分からない」といった状況は少なくないでしょう。
こちらではそのような場合でも単価の相場を事前に調査できる、グーグルとヤフーにおける以下のツールを紹介します。
キーワードプランナー
こちらはグーグル広告における相場を確認できるツールです。
以下の手順に沿って、各KWの相場を調べることができます。
- グーグル広告を開く
- 「ツールと設定」→「キーワードプランナー」へ進む
- 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」へ進む
- 単価を確認したいKWを入力
- 「予測」へ進む
- 「平均クリック単価」を確認する
こちらではその他にも、クリック数やクリック率といった数値の予測も確認できます。
あくまで予測ではありますが、これから出稿したいKWの相場をイメージする際には必要不可欠なツールとなるでしょう。
キーワードアドバイスツール【Yahoo】
こちらはヤフー広告における相場を確認できるツールです。
以下の手順に沿って、各KWの相場を調べることができます。
- ヤフー広告の管理画面を開く
- 「ツール」→「キーワードアドバイスツール」へ進む
- 単価を確認したいKWを入力
- 「推定CPC」を確認
こちらでもキーワードプランナー同様に、クリック率やクリック数の予測を確認できます。
ヤフー広告での出稿を検討する場合には、こちらのツールを活用してみましょう。
まとめ
リスティング広告における、クリック単価について解説してきました。
広告運用においては単価への意識が強くなってしまいがちですが、効率的な運用のためには広告自体の質も重要となります。
適切なKW設定と質の高い広告内容をかけ合わせることで、結果的に費用対効果の高い運用が可能となるでしょう。
そのために本記事の内容が参考になりましたら幸いです。