Web広告において、「目標コンバージョン単価」という単語を耳にする機会は多いでしょう。
しかし、その意味や基本的な内容についてしっかりと理解しているという方は、意外と少ないかもしれません。
しかし、Google広告を運用するにあたって、この内容への理解は欠かせません。
今回の記事では、そんなGoogle広告における、「目標コンバージョン単価」について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
Google広告の目標コンバージョン単価とは?
詳しい説明の前にまず、「コンバージョン」とはどういった意味かを説明する必要があるでしょう。
この言葉はWebサイトを運用するにあたって、目標として設定する数値を指します。
そして、実際に目標としている数値にカウントされるための行動を起こした回数が増えると、「コンバージョンが増加した」などといったように使用されます。
単語自体の意味は「転換」や「変換」となり、サイト内を訪問したユーザーの行動が、目標数値に「変わった」といったイメージを持てば分かりやすいかもしれません。
ここまでを踏まえた上で、以下の2点に分けてそれぞれ詳しく解説していきましょう。
目標コンバージョン単価(CPA)とは?
「コンバージョン」とは、サイト内で決めた最終的な目標に対して、アクションが発生した数値であると前述しました。
つまり、目標コンバージョン単価とは、そのアクション1件が発生するために必要となった費用を指します。
Cost Per Actionの頭文字を取って、「CPA」と言われる場合もあり、他にも「顧客獲得単価」と言われる事もあります。
この単価は、あくまでも「事前に決めた単価(予算)の範囲で、想定するアクションを発生させたい」という目標になります。
つまり、内容によっては目標とする金額を大幅に超えるケースや、逆に安くなるケースもあります。
目標という事で、必ずしも想定通りの単価に収まらないという事は把握しておきましょう。
コンバージョン単価の計算方法
この単価は、事前にある程度の計算によって想定を立てる事が出来ます。
一般的に使用される式は、以下の2つです。
費用÷コンバージョン数
クリック単価+コンバージョン率
それぞれ、「数」と「率」で対象とする数値が違う点は注意しましょう。
それでは、一度上段の式を例にしながら、単価を試算してみます。
広告費が5万円であったケースにおいて、ユーザーのアクションが4件であった場合の計算式は、以下の通りとなります。
広告費が50,000円 ÷ アクションが4件=12,500円
つまり、このケースにおけるコンバージョン単価は、12,500円という事です。
この単価は広告の費用対効果を明確に把握する事が可能となり、運用が上手くいっているのかどうかを判断する軸になります。
Webに限らずどの広告媒体でも使用できる指標となりますので、運用時には小まめにチェックする事をおすすめします。
Google広告の目標コンバージョン単価の目安
実際、広告を運用するにあたって、この単価の目安はどの程度で考えればいいのか、疑問に持たれた方もいるでしょう。
しかし、「基本的に目安と言える額はない」が答えになります。
その理由は、広告で扱う商品やサービスの単価や、広告運用費によってもそれぞれ異なってくるからです。
つまり、明確な金額として目安を出す事は不毛だと言えるでしょう。
しかし、金額ではなく割合としてなら、一般的な目安は存在しています。
実際、広告費用の採算が取れると言われている目安は、広告費が売上の3分の1程度におさまる範囲と考えられています。
上記の範囲におさめる事を前提としながら、広告費に対してどれだけの売上が必要なのかをまずは検討してみましょう。
目標コンバージョン単価(CPA)の設定方法(決め方)
実際にWeb広告における運用で、Google広告の管理画面で設定方法を解説します。
管理画面からツールと設定へ進み、その先で入札戦略をクリックします。
「+」ボタンをクリックした後に表示される選択項目から、「目標コンバージョン単価」をクリック
ご自身が把握しやすいように、任意の名称を入力して行きます。
「オーナー」の箇所は、クリックすると選択項目が表示されるのでアカウントの情報を選択します。
「キャンペーン」では、Google広告で入稿している広告の対象のキャンペーン名を選択します。
「単価」を目標金額を決めて入力します。
全て入力し終えたら「保存」をクリックし設定は完了です。
Googleの場合、広告システムが目標とする数値を自動で提案してくれる機能があります。
設定が初めての方であれば、まずはその数値から始めてもいいでしょう。
しかし運用に慣れている場合であれば、過去30日間のコンバージョン数に対して1.3倍程度を目標とする事をおすすめします。
過去の平均数と比較して、少し高めの数値にする事で、安定した成果を望むことができるようになるのです。
目標コンバージョン単価(CPA)の日予算の設定方法
日予算の目標数値については、基本的に目標とする単価の5倍〜10倍に設定する事をおすすめします。
つまり、目標数値が5,000円であった場合は、日予算は25,000円〜50,000円という事です。
その理由は、日予算が低額過ぎると、Google広告のシステムが日予算を超えてはいけないと判断してしまい、結果として広告の表示回数が極端に少なくなってしまうからです。
表示されなければ、広告に対する反応データも十分に集まらず、成果がでるまでに時間がかかってしまいます。
短期間に多くの反応データを集め、短期間での成果安定を目指す事で、最終的に長期間での安定運用が期待できるのです。
こういった理由から、日予算に関しては余裕をもった金額を入力した方が良いでしょう。
Google広告の目標コンバージョン単価を下げる方法
コンバージョン単価が高くなれば、当然広告費用が大きくなってしまいます。
先程の解説では、この単価は売上の3分の1程度におさめる事が理想と解説しました。
それでは、どのようにして単価のコントロールをおこなえばいいのでしょうか。
ここからは、コンバージョン単価を下げる事のメリットと、その方法について解説します。
コンバージョン単価を下げるメリットとは?
この単価を下げる事によるメリットとして、一番に言える事は「広告費用を抑えられる」という事でしょう。
前述した通り、目安となる明確な金額はありませんが、クリック単価が異常に高い場合は注意が必要です。
対策として「コンバージョン(CV)数を保ち広告費用を抑える」もしくは、「広告費用は変更する事なく、コンバージョン数を上げる」のどちらかが必要となります。
コンバージョン単価が下がれば、広告費用を抑えられる事となりますので、バランスを確認しながら調整していきましょう。
それでは、以降では実際に単価を下げる方法について確認していきましょう。
下げる方法①:広告クオリティを上げる
広告が上位表示される条件として、「入札単価」と「品質スコア」という2つがあります。
そして「品質スコア」については、以下の3点によって評価されています。
それぞれの評価基準においては公開されていないのですが、広告の内容がユーザーの為になるか否かが判断されていると考えられるでしょう。
そして、クオリティが高い広告は単価が低い場合においても、上位に表示される事になりますので、結果として反応率を上昇させる事が期待できます。
つまり、費用を抑えながら効果を高める事が出来るのです。
下げる方法②:入札単価を低く設定
コンバージョン単価の金額は、クリック単価によって変動します。
ユーザーの1クリックにより費用が発生する事から、クリック単価が高ければ全体の費用は高額になってしまいます。
その対策として、入札単価を低くする事で、1クリックあたりの単価を容易に抑える事が出来ます。
しかし、あまりに低い額にしてしまうと、そもそも表示されないという事態にもなりかねません。
価格のバランスについては慎重に判断しましょう。
下げる方法③:単価の低いキーワードを狙う
人気キーワードでは競合も多く、単価も高額となってしまいがちです。
いわゆるビッグワードと呼ばれますが、単価を抑えるためにあえてボリュームの低いキーワードを狙う事も対策として有効です。
クリック単価の低いキーワードに入札する事で、必然的に全体費用を下げる事が可能なのです。
さらに、ニッチなジャンルへと訴求する事が出来ますので、競合他社との差別化及び、勝てる部分を探し当てる事も出来るかもしれません。
ユーザーに何が求められているのか分析し、ボリュームは少ないが勝てるキーワードを探し当ててみましょう。
下げる方法④:ターゲットユーザーを狙った広告作成
広告内容の商品やサービスの対象となるユーザーを、ピンポイントで狙い訴求する内容も効果的でしょう。
もともと興味を持っているターゲットに対して掲載する事で、必然的に反応率は高くなります。
その結果、相対的に広告費用を抑える事が可能なのです。
広告を一定期間運用していれば、どの層からの反応が高いかといったデータが蓄積されていきます。
興味を持っていないユーザーへの表示を減少させ、反応率の良いターゲットに絞る事で、費用を抑える事にも繋がるでしょう。
Google広告の目標コンバージョンに関する注意点
適切に運用すれば高い効果を期待できますが、注意点もいくつか存在しています。
ここからは、そんな注意点を以下の3点に分けて解説します。
- 成果が出るまでに時間が必要
- 低単価=配信が減る可能性が高い
- 広告やLP内容の調整が最優先
成果が出るまで時間が必要(学習期間あり)
広告の表示については、機械学習によって適切に運用されます。
そのため、一定の情報を収集するまでに時間がかかってしまい、その期間中は想定よりも低い効果となるケースがあります。
過去の情報を元に運用するので、この学習期間が必要な点は注意しましょう。
そして、この学習期間中に手動で変更してしまうと、それまで収集していた情報も削除されてしまいます。
その場合は学習にさらなる期間を要してしまいます。
目安として2週間〜3週間程度必要と言われていますので、その期間は効果が低くても待つ必要がある事は覚えておきましょう。
低単価=配信が減る可能性が高い
単純に単価を抑えてしまった場合には、その他競合と競り負けてしまい、広告の配信が減少してしまうケースもあります。
つまり、ただ単に単価を下げるだけでは逆効果となる可能性は高いという事です。
配信量が減ってしまえば、学習に必要なデータも不十分となり、効果が出るためにもさらなる時間が必要となるような悪循環に陥ってしまいます。
そうならないためにも、過去のデータを冷静に分析した上で、反応率の平均を元に単価を決める必要があるでしょう。
広告やLP内容の調整が最優先
広告の費用対効果を上げたいがばかりに、反応率やクリック率だけに注目していてはいけません。
広告の表示順位を判断するための1つとして、品質スコアというものがあると前述しました。
広告やLPの内容が優れていれば、結果としてユーザーからの反応も良くなる事が考えられます。
どれだけ効率よく運用できていても、訴求したい内容が上手く伝わらない広告や、魅力を十分に発揮できてないLPであれば、非常にもったいない事になりかねません。
商品やサービスを長期間にわたってアピールするためには、クリック率などの細かい数値も重要ですが、広告やLP内容の調整が最優先となるでしょう。
まとめ
目標コンバージョン単価について、基本的な内容から注意点までを解説してきました。
適切に運用すれば高い効果を発揮するWeb広告ですので、本記事の内容を参考に売上向上に繋げていただければ幸いです。