Web接客とは、サイト訪問者に対してポップアップやチャットボット機能などを利用してリアルタイムに接客を行うことです。サイト内検索やレコメンド機能もこれに該当しますが、最近ではポップアップやチャットボットの方が主流です。
Web接客は顧客の購買意欲をそそるナーチャリングやCVRの向上を目的として導入され、BtoC及びBtoBの両方で広く活用されています。本記事では、Web接客の基礎知識や選び方、成功事例を基におすすめツールを紹介します。
Web接客とは?
Web接客はサイト上でユーザー対応を迅速に行う手段のことで、チャットボットによるリアルタイムのサポートやポップアップでクーポンを表示する方法などが該当します。
実店舗で行われる直接的な接客行動を、サイト上で再現することが目標で「Web接客」と呼ばれています。独自開発も可能ですが、Web接客ツールを導入し、好みにカスタマイズするのが一般的です。
Web接客が注目されている背景
Web接客ツールはサイト上で実店舗のようなリアルタイム接客を行うことが理想とされていましたが、近年AIの発達によりチャットボットの精度が格段に向上しました。
特にOpenAI社のChatGPTを搭載したツールも登場しており、実際にオペレーターと会話しているかのように、質問に回答してくれます。
Web接客を導入するメリット
Webサイトの訪問者が常にサイト設計者の意図通りに動いてくれるわけではありません。最終的には求める情報が得られずユーザーが離脱することも考えられます。
しかし、Web接客を導入すれば、さまざまなシナリオに応じてポップアップで行動を促したり、チャットでニーズを確認して適切な案内を行うことも可能です。個別に合わせた提案により離脱を減らし、CVRや売上を向上させることができます。
Web接客ツールとは?
Web接客の機能を提供するサービスのことをWeb接客ツールと呼びます。
ユーザーに行動を促したい時などに、ポップアップ表示やメッセージを送信する機能が備わっており、一般的に自社開発ではなくツールを使って導入することがほとんどです。
Web接客ツールの3つの種類
Web接客ツールには以下の3つが存在します。
■|ポップアップ型
■|チャット型
■|複合型
ポップアップ型はユーザーがサイトに訪問した際に特定のタイミングでポップアップを表示する機能を備えています。表示するタイミングの設定は条件によって変更可能で、適切なタイミングでクーポン配信を行えば購買率向上に繋がります。
チャット型は、サイト上にチャット画面を表示し対話を行うツールです。質問などを即座に入力することができるので離脱防止に繋がります。また、シナリオに沿ってボットが返信するタイプとAIが自動で回答するタイプの二種類に分けられます。最近ではAIが主流です。
複合型はこれら両方の機能が備わったツールで、ポップアップ配信に加えてチャットボットによる対話も可能になります。ただし、価格はこれら2つと比べ高価になる傾向にあります。
Web接客ツールの活用イメージ
Web接客を行うには、まず自社サイトにツールを導入する必要があります。次に、作成した専用コードを導入したいWebページに埋め込みます。その後、ターゲットユーザーや配信タイミング、目標を明確にし、それに基づいて適切なシナリオをツールの機能に沿って構築していきます。
実際に運用してみて、実践形式で改善を繰り返していきましょう。結果次第でシナリオの見直しや対策を考えていき、PDCAサイクルを素早く回せば効果を最短で得ることができるでしょう。
Web接客を活用した成功事例
実際にWeb接客ツールを活用してどういった効果があったのかの事例を紹介します。
この3つの事例を詳しく解説していきます。
1.日本郵政株式会社
日本郵政株式会社は、2022年にオンライン接客ツールを導入し、ユーザーがどこにいても生命保険の相談が可能な環境を整えました。
相談は30〜60分程度で、定年後の保証に関するアドバイスや初めての保険選びのサポートなど、細かい疑問にも対応可能になっています。
これらを活用することで、本来の同社の課題として挙げられてた利便性の向上や新たな顧客体験価値の提供といった目標を達成しています。
2.株式会社三越伊勢丹
株式会社三越伊勢丹は、2020年に自社開発した「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」を通じてオンライン接客サービスを提供しています。ユーザーはチャット機能やビデオ通話を介して接客を受け商品の購入をオンラインで行えるため、店頭のほぼ全商品が購入可能です。
さらに、同社は接客ログを活用した顧客生涯価値(LTV)の向上を最終目標としており、アンケートを利用し、最適な情報を提供することでリテンションビジネスの構築に成功しています。
3.株式会社ニトリ
株式会社ニトリはリフォーム事業において接客ツールを導入しました。スタッフがショールームに不在の時にタブレットを使った接客を行ったり、また、ユーザーがスマホから手軽にリフォームに関する相談ができるといったサービスも同時に提供しています。
リフォームしたい空間をユーザーは実際にスタッフに見せる事ができるので、寸法の提案などが可能になり、購入までの手続きがスムーズになりました。現在、接客ログを活用してコミュニケーションにおける課題から改善を実施しています。
Web接客ツールの選び方
Web接客ツールの選び方として見るべきポイントは3つです。
これらを意識すれば、運用コストに見合ったリターンを得ることができます。リターンよりコストが上回ってしまうと意味がありませんし、機能が少ないとできることも少なくなります。また、高機能ツールを使いこなすためにも、サポート体制を視野に入れた運用も必要になってくるでしょう。
費用対効果の高さ
ビジネスにおいて最も重要な要素の1つとして費用対効果の高さがあげられますが、Web接客ツールの活用においても考慮すべき点になります。
具体的には「自社においてどういったビジネス展開を計画しているのか」もしくは「どういった客層のユーザーをターゲット層とするのか」を洗い出し、適した機能を提供しているツールの選択が理想です。上手くいくと低コストで高パフォーマンスを得ることができるでしょう。
機能の豊富さ
機能の豊富さもツールを選ぶ際の有力な指標で「ポップアップ型」「チャット型」「複合型」を考慮した上での自社戦略に沿ったツール選びが理想です。
しかし、戦略が固まっていない状態での導入を想定すれば「複合型」のような機能が豊富なサービスが有利で、逆算して計画立案も可能になります。
さらに、機能が豊富なことでユーザーが求めるニーズにスムーズに対応することも可能になります。顧客満足度の向上にも直結するでしょう。
サポート体制の充実度
Web接客ツールは利用に際しての専門知識こそ必要になってきますが、いざ活用して自社の売上アップを目指している場合、マーケティングの要素も深く関わってきます。
海外ツールはサポート体制に劣る部分が多いため、最大限に活用するためにもフォローの体制が充実している国内サービスを選ぶといいでしょう。自社にマッチしたシナリオはどのように構築すべきかなど、遠慮なく問い合わせることができます。
Web接客ツールおすすめ3選
これまでの内容を踏まえておすすめのWeb接客ツールのおすすめ3選を紹介します。
それぞれポップアップ型、チャット型そして複合型の順に並んでおり、利用することで視認性の向上やユーザーの疑問解消によるCVR向上などが期待できます。新規顧客の獲得にも貢献するため参考にしてみて下さい。
≫≫ Webフォーム作成ツール比較おすすめ10選!機能や選び方も含めて解説
TETORI(テトリ)
TETORIはポップアップ機能を中心としたシンプルな接客ツールです。TETORIの導入後はWebサイトのコンバージョン率がアップしたという声も多く、具体的には「資料請求や会員登録の促進ができた」「サイトの離脱防止によって購入率がアップ」と好評です。
費用は月額1万円から利用可能で中小企業にとってのコストパフォーマンス面においても優れています。
Zendesk
Zendeskは膨大なカスタマーデータをもとに同社のAIを利用したチャットボットが特徴のサービスです。
Zendeskでは、顧客の悩みに合わせて回答を最適化してレスポンスします。導入企業は世界で10万社の実績を誇っており「社内の問い合わせ効率化に成功した」「短期間でシステムの実装ができ満足のいくサービス展開ができた」などと言った声があげられています。
価格は初期費用なしの月額$55から用意されていますが、料金がドル換算になるため為替の考慮も必要になります。
KARTE(カルテ)
KARTEは複合型にあたる接客サービスで、KARTE Message KARTE Actionはポップアップ型、KARTE Talkはチャット型の特徴を持っています。
KARTEには、ユーザーのアクションをもとに行動データを分析し、マーケティング施策が行えるという強みがあり、12種の機能からサイトの価値を高めてくれます。KARTEの費用を知りたい方は問合せが必要です。
情報の正確性が問われる報道機関からは「即時性と拡張性が優れている」といった意見、アパレル業界においては「新規顧客の獲得で客単価があがった」という声もあります。
≫≫ KARTEの詳細はこちら
Web接客のまとめ
本記事ではWeb接客の概要について紹介してきました。Web接客を行えばサイトの訪問者に対してポップアップやチャットボットなどを使ってリアルタイムに接客を行うことが可能になります。
メリットとしてはユーザーがサイト内で迷った場合でも、ポップアップやチャットで的確なサポートを提供できる部分などが挙げられ、導入することで訪問者の行動を促し、離脱率低減に役立てることができます。
ツール選びには、費用対効果や機能の豊富さ、そして充実したサポート体制が重要です。これらを考慮し、投資に見合った成果を得られるツールを見つけ出しましょう。