ネット上での広告運用において欠かせない手法として、リスティング広告があげられます。
この広告は、「Google」や「yahoo!」などのサービスを利用して検索をした際に、上位に表示される一定数の広告リンクを指します。
しかし、リスティング(検索)広告に関する詳しい仕組みや、どのような効果が期待できるのかという点などについては、理解していない方も多いのではないでしょうか。
今回は、リスティング(検索)広告の特徴からメリットやデメリットまで解説していきます。
最後までご覧いただければ、この広告についてのリテラシーが深まるはず。
ぜひ最後までご覧ください。
リスティング広告とは「検索連動型広告」
はじめに、リスティング(検索)広告とは何かについて、詳しく解説していきます。
ネット広告といえば、このリスティング(検索)広告を思い浮かべる人も多いと言われるくらい、幅広い業界で活用されている、メジャーなネット広告媒体です。
「検索連動型広告」と呼ばれる事もあり、その名前の通りで検索結果のページに表示される広告の事を指します。
日本国内において、検索サイトは「Google」と「yahoo!」の2つで90%以上のシェアを占めていますので、広告を掲載しようと検討する場合は、こちらの2つを対象とすれば問題ありません。
そんな広告について、こちらでは大きく以下の3点に分けて深堀りしていきます。
- リスティング広告の仕組み
- 効果を出しやすいシチュエーション
- 費用感はどれくらい?
それぞれ解説していきます。
リスティング広告の仕組み
検索ページに掲載される広告なのですが、その仕組みについてこちらでは解説していきます。
この広告は「クリック課金制」が採用されており、広告主が支払わなければいけない費用は、クリック単価をクリック数で乗算した金額となります。
つまりクリックされなければ、費用は全く発生しない仕組みとなっているのです。
そして、クリック単価についてはオークション入札という形式で決まります。
この内容は以下のような流れとなります。
- 検索者がキーワードを検索
- 検索された時、同様のキーワードで入札している広告同士でオークションを実施
- オークションの結果で広告順位とクリック単価が確定
- 検索者が広告をクリックする
- クリック単価の支払いが発生
このように、リスティング(検索)広告は、検索者にクリックされる必要があるのです。
効果を出しやすいシチュエーション
検索欄に出てくる広告ですが、どのようなシチュエーションで効果を発揮するのでしょうか。
一般的には3つの場面において、その効果を発揮すると言われています。
まず1つ目は「成果を直ぐに求めている場合」です。
ユーザーが検索した結果に対して表示される広告の為、想定しているターゲットに対して的確に広告を表示、配信させることができます。
そのため、広告配信をした当日や翌日にも、広告経由でのアクセス増加も容易に可能となるのです。
2つ目は「珍しい商品やサービスを売り込みたい場合」です。
どうしても小さな会社や珍しい商品は、広告を打っても目立たないと考えてしまいます。
しかし、リスティング広告では需要の高い商品よりも、ターゲットの限られた珍しい商品やサービスの方が効果は高い傾向にあります。
なぜなら、珍しい商品は広告の掲載分母が少ないことから、比較対象が少なくなります。
結果として、クリック率は高くなることが多いのです。
そして3つ目は「一時的に需要が拡大している場合」です。
突発的なブームや何かしらの影響を受けて、一時的に需要が拡大している商品に対しても、リスティング(検索)広告は効果を発揮します。
なぜなら供給不足ということで、それらの商品を求めて検索するユーザーが増加するからです。
上記のような場面において、この広告は高い効果を発揮する傾向にあります。
費用感はどのくらい?
この広告にかかる費用の相場は、月間20万円〜50万円辺りが一般的です。
もちろん相場ですので、50万円以上となる場合や10万円程度で済む場合もあり、一概には言えません。
リスティング(検索)広告は、キーワードの選定から広告の掲載時刻の設定、居住地に至るまで設定することができます。
またGoogleへの広告掲載の場合ですと、絞って掲載する場合は千円からでも設定が可能となっています。
しかし、広告運用を代理店に委託する場合、最低金額の相場は30万円程度と考えておいた方がいいでしょう。
このように、広告主側からある程度幅を利かせて予算を設定できるため、上手く運用できれば効率よく成果を得られるでしょう。
リスティング広告のメリット
ネット広告において主流であるリスティング(検索)広告ですが、どのようなメリットがあり使われ続けているのでしょうか。
こちらでは、そんなリスティング(検索)広告のメリットについて、以下の5つに分けて解説していきます。
- 上位表示ができる
- ターゲット層へ訴求しやすい
- SEOに比べ即効性が高い
- 配信・停止がいつでも可能
- 検証や分析がしやすい
上位表示ができる
一般的に検索後の画面において、上位表示されているサイトへのアクセス率は高くなる傾向にあります。
そんな検索後画面において、SEOでトップを獲得している記事よりも上位に、この広告は表示させることが可能なのです。
結果としてユーザーの目に止まりやすく、高いクリック率や集客効果が見込まれるのです。
しかし、この上位表示については、あくまでも広告というカテゴリーの掲載となります。
自然検索とは、差別化されている位置に表示される点は考慮する必要がありますが、その点を踏まえても、検索欄での上位表示は大きなメリットがあると言えるでしょう。
ターゲット層へ訴求しやすい
検索に応じた広告を表示できますので、当然ターゲット層への訴求効果は通常広告よりも高いものとなります。
特にネット上で何かを購入しようと考えて検索している場合、求めているものに近い商品が表示されると、そのまま商品購入に繋がる可能性は十分にあります。
例えば、ダイエット食品を扱うECサイトの場合、以下のような検索が想定されます。
- ダイエット 楽に
- ダイエット 簡単
- ダイエット 筋トレ
この場合、楽にダイエットをしたいと考える層に対してアプローチする必要があるため、「筋トレ」というキーワードはターゲット層から外れてしまうでしょう。
購買意欲が高く、ニーズが明確化しているキーワードを限定して広告を表示できますので、費用対効果は非常に高くなります。
SEOに比べ即効性が高い
「上位表示ができる」の項目でも解説しましたが、リスティング(検索)広告は検索後の画面にて、通常記事よりも上位表示が可能です。
通常記事で上位を狙うSEOの場合、期待する効果が出るまでに数ヶ月という単位で待つ必要があります。
さらに競合のリサーチや、リライトの手間も発生してしまいます。
その点、リスティング(検索)広告であれば、SEOで上位表示が難しいビッグワードに対しても、時間を掛けずに上位表示させることが可能となります。
このように、通常のSEOと比較しても即効性の高さがあることは、リスティング(検索)広告の大きなメリットと言えるでしょう。
配信・停止がいつでも可能
リスティング(検索)広告を掲載するために、必要となるものは以下の5つとなります。
- 広告のアカウント
- キーワード
- 広告文
- リンク先
- 入札単価
通常の広告と比較して、用意すべきものが少なく、掲載の手間が非常に少ないのです。
さらに、ワンクリックで配信と停止をコントロールできますので、効果が落ちていると感じた場合は、広告文の変更などに直ぐ対応できます。
非常にスピード感を持って運用ができるという点は、このリスティング(検索)広告の大きなメリットとなるでしょう。
検証や分析がしやすい
リスティング(検索)広告は管理画面上で、以下の項目を簡単に確認できます。
- クリック単価
- 成約率
- 表示回数
- リンク先へ飛んだ回数
- 何かアクションをした回数
このように、広告の効果が手に取るように分かるため、検証や分析が非常に容易となります。
さらに、広告文を2つ掲載するといった比較テストもできますので、短期間でより洗練された広告を打ち出すことが可能となるのです。
リスティング広告のデメリット
ここまでリスティング(検索)広告のメリットをお伝えしてきましたが、デメリットも少なからず存在しています
こちらでは、以下の3つのデメリットについて解説していきます。
- コストがかかる
- リスティング広告への知識が必要
- 潜在層には成果を出しにくい
コストがかかる
広告ですので、当然コストは発生してしまいます。
前述したように、その金額については少額からの掲載が可能ではありますが、費用自体をゼロにすることは不可能です。
また、広告の配信を停止してしまうと、検索画面に表示されることがなくなりますので、それまで流入されていたユーザー数や売上についても、無くなってしまうことは注意する必要があります。
SEOは結果が出るのに時間が掛かってしまいますが、その反面効果が出てきてしまえば費用を掛けずに運用できます。
一方リスティング(検索)広告の場合は、広告を継続している間は、広告費を支払い続ける必要があるのです。
リスティング広告への知識が必要
比較的簡単に掲載できるリスティング(検索)広告ですが、高い効果を求める場合や、運用を継続する場合は知識が必要となります。
広告の成果に即効性がある反面、季節感や消費者ニーズに外れた広告内容を掲載していれば、効果は半減してしまいます。
変化に対して敏感になり、即座に対応する姿勢が求められます。
このように定期的なモニタリングやブラッシュアップが必要になることに加えて、スピード感を持って対応するためには、管理画面の操作知識や運用ノウハウが求められます。
さらには競合広告のキャンペーン内容をリサーチすることも重要となり、表示順位を考慮した広告内容の検討など、多種多様な知識が必要です。
このようなことから、初めてのリスティング(検索)広告運用で成果を出し、その後も長期間に渡って運用しているという事例はごく一部となっています。
潜在層には成果を出しにくい
リスティング(検索)広告の特徴として、検索ワードに関連して表示されるということがありますので、結果的に潜在層へのアピールは弱くなってしまいます。
マーケティングにおいて、顧客は大きく潜在層と顕在層に分けられます。
それぞれ簡単に比較すると、以下のようになります。
- 潜在層:自社商品へのニーズは少ないが、関連する商品への興味を抱いている顧客
- 顕在層:自社商品絵へのニーズがある、見込み客と呼ばれる層
つまり、これから顧客になるかもしれない、新規開拓の相手である「潜在層」にはリーチ出来ないということになります。
結果として商品やサービスの認知拡大には不向きとなり、市場規模の拡大を目的とした広告の場合は効果が薄い可能性があります。
まとめ
リスティング(検索)広告について、その特徴とメリット、デメリットについて解説しました。
本記事の内容をまとめてみましょう。
まずリスティング(検索)広告とは、「検索連動型広告」とも呼ばれるネット広告における、メジャーな広告媒体です。
その仕組みは以下の通りとなります。
- 検索者がキーワードを検索
- 検索された時、同様のキーワードで入札している広告同士でオークションを実施
- オークションの結果で広告順位とクリック単価が確定
- 検索者が広告をクリックする
- クリック単価の支払いが発生
このように検索者にクリックされることで、初めて成果が発生する広告です。
リスティング広告は即効性が高く、広告の効果を実感するために多くの時間を必要としません。
早い場合では当日、もしくは翌日にも広告効果によるアクセス増を期待することも可能です。
費用についても数千円から掲載が可能ですが、通常の相場は20万円〜50万円程度が一般的となっています。
そして、リスティング(検索)広告のメリット、デメリットは以下の通りとなります。
- 上位表示ができる
- ターゲット層へ訴求しやすい
- SEOに比べ即効性が高い
- 配信・停止がいつでも可能
- 検証や分析がしやすい
- コストがかかる
- リスティング広告への知識が必要
- 潜在層には成果を出しにくい
適切に運用できれば、少ない費用で高い効果を期待できるリスティング(検索)広告ですが、デメリットも当然存在しています。
また検索欄に表示されるという点ではSEOと似ている部分はありますが、用途が異なるため、それぞれの特徴を把握して、目的に応じて使い分けることが重要となります。