リスティング広告において、想定する顧客に対して的確に訴求させるためには、特定のキーワードを登録しておく必要があります。
指定のKWを顧客が入力すると、広告内容がオークション候補に上がり、始めて顧客の画面上に訴求内容を掲載できるようになります。
その時、指定したKWに対してピンポイントで入力した顧客にのみ訴求したいのか、幅広く掲載させたいのかといった範囲の指定を行いたいと思う場合があるでしょう。
そのような時に便利な設定機能が「マッチタイプ」と呼ばれるものです。
本記事では、そんな機能について基本的な内容から、その設定方法と運用について幅広く解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
【リスティング広告】キーワードのマッチタイプとは?
リスティング広告におけるマッチタイプとは、どのような機能なのでしょうか。
これは、一言で表すなら「事前に指定したKWに対して、どの程度厳密に一致しているのかを設定する」という機能です。
一例をあげると、「戸建て住宅 リフォーム」というKWに対して、完全に一致している場合にのみ、広告を掲載させることができます。
さらに範囲を広げて、「戸建て住宅 リノベーション」といった、単語は異なるけれども意味は似ているようなKWにおいても、広告を掲載させることも可能です。
このように、どの程度広い範囲の顧客をターゲットにするのか、事前に想定した上で広告の運用を行なうことができるのです。
日本国内のWeb広告は「グーグル」と「ヤフー」の2企業が多くの割合を占めていますので、ほとんどの事業者はこれらにおける運用を行っているでしょう。
それぞれにおいて広告やサービスの内容や仕組みが違うケースもありますが、マッチタイプに関しては全く同じ仕組みで運用されています。
なぜなら、2企業ともベースとしている検索エンジンが同様のものであるからです。
そのため、日本国内でWeb広告を運用している方のほとんどが、この機能の利用できると言えるでしょう。
キーワードマッチタイプの仕組み
事前に指定しているKWに対して、一致する範囲を指定できる機能ですが、実際どのような仕組みで動いているのかを事前に把握していたほうが、設定時スムーズに進めることができるでしょう。
基本的に、指定したKWと完全に一致している場合は、そちらが優先されることとなります。
さらに、顧客が入力したKWにおいてスペルミス等があったとグーグルが判断した時には、修正されたKWと一致した内容が優先されます。
そして、入力KWと完全に一致する内容が複数あった場合には、その中から広告ランクの高いKWが最優先で掲載されることとなります。
仮に、入力される回数が極端に少ないKWの場合では、完全に一致していても他のKWとグーグルが判断した上で掲載されることがあります。
このことは良く理解した上で、注意しながら実際に運用していきましょう。
【リスティング広告】キーワードマッチタイプの種類
顧客が入力した際のフレーズが、指定しているKWに対してどの範囲で対応するのかを、事前に設定できます。
具体的には、以下の3つの範囲の中からの選択が可能です。
- 完全一致
- フレーズ一致
- 部分一致
ちなみに、これらを選択していなくてもグーグルが関連性が高い、同一内容であると判断した内容については、自動的に広告が掲載されることとなっています。
例えば、「表記ゆれ」「略語」「KWの語順前後」「接続詞の有無」「類義語」「同じ意図を持つKW」などがそれに当たります。
選択できる3つは、上記に当てはまらない内容ということは理解しておきましょう。
完全一致
こちらでKWを設定した場合は、登録したKWと完全に一致するもの、もしくは同様の意味をもつKWを顧客が入力した時、広告が掲載されることとなります。
ピンポイントを狙った方法となりますので、設定できる中では最も拡張性が低いと言えるでしょう。
その反面、想定している顧客に対して確実に訴求できますので、広告内容のターゲットが明確に定まっている場合には高い効果へと繋がることが期待できます。
以前は設定したKWに対し、文字通り「完全に一致」している必要がありましたが、近年では範囲も少しずつ広がっています。
具体的なケースとしては、具体的に以下のような場合となります。
フレーズ一致
こちらでKWを設定した場合には、そのKWの意味を含んだ内容に対して、広告が掲載されることとなります。
そのため、広告商品やサービスに対して、興味がある可能性が高い顧客に対して幅広く訴求させることが可能です。
既存顧客だけではなく、さらなる市場や販路拡大を目的としている場合、高い効果が期待できるでしょう。
こちらも前述した設定同様、年々掲載される範囲が広がっています。
掲載されるケースとしては、具体的に以下のような場合があげられます。
部分一致
こちらでKWを設定した場合には、そのKWに関連性が高いとグーグルが判断した内容に対して、広告が掲載されることとなります。
加えて、顧客が近い時期に入力しているKWや内容も、結果に考慮される場合もあります。
そしてこちらの部分一致は前述した2つを指定しなかった場合、デフォルトで設定される内容となっています。
比較的幅広い顧客に対して訴求できますが、その反面見当違いなKWに対しても広告が発生する場合もあります。
しかし、実際にどの程度の範囲まで広告掲載が広がるかについては、運用を開始してみないと分かりません。
そのためより幅広く、多くの顧客の目に留まって欲しい新しい商品やサービスの訴求に適していると言えるかもしれません。
一般的に掲載されるケースとしては、以下のような場合があげられます。
【リスティング広告】キーワードマッチタイプの使い分け
本機能について、その指定範囲は3つの中から選択できることを解説してきました。
それでは、それぞれどのように使い分けることが理想なのでしょうか。
ここからは、3つの範囲について適切な使い分け方について解説していきます。
完全一致の使い分け方
基本的に指定したKWと内容が一致するものに対して、広告を掲載させることが可能ですので、比較的コンバージョン率が高いKWに対して設定を行なうことをおすすめします。
具体的には、以下のようなKWがあげられるでしょう。
- コンバージョン率のデータがあるKW
- 企業名、サービス名が明確であるKW
- コンバージョンの見込みがあるKW
間違いなく掲載させたいKW 過去に運用したデータや実績が既にあるKWについてはもちろんですが、企業名やサービス名などの固有名詞などの登録もおすすめします。
なぜなら、不要なKWを除外させることでネガティブなKWや、効果の薄いKWに対する広告掲載を事前に防ぐことが可能だからです。 結果的にコンバージョンに繋がらない無駄なクリックを削減でき、広告費用を押さえることにも繋がります。
フレーズ一致の使い分け方
こちらも完全に一致するKWと基本的には同様であり、コンバージョンが高いことが想定されるKWに対しての設定もおすすめします。
具体的には、前述した内容に加えて以下のKWがあげられるでしょう。
- 完全一致と部分一致の間で配信させたいKW
- ボリュームのあるKWと訴求内容を掛け合わせたいKW
こちらの設定の場合、ボリュームの大きいKWに対しても、広告を掲載させることができます。
この方法では多くの顧客に訴求できる一方、広告費用も高額になってしまいがちです。
しかし、この方法に沿った設定により、ある程度コストを抑えながらの運用が可能となるでしょう。
部分一致の使い分け方
こちらは指定したKWに対して、関連性が高いとグーグルが判断した内容に対して掲載されますので、販路や認知を拡大したい場合に最適な設定でしょう。
運用者が想定していなかった層やKW対しても、広告を掲載させることが可能ですので、思いがけない発見に繋がるかもしれません。
具体的には、以下のようなKWがあげられるでしょう。
- 過去にコンバージョンの結果があるKW
- コンバージョンが見込まれるKW
- 3つの単語以上から構成されるKW
- 初めてリスティング広告を打つKW
- 複数の名称、呼び方があるKW
実際に顧客がどのようなKWを入力するのかについて、長年経験を積んだ運用者でも完全に把握できるかと言うと難しい部分があります。
そのため、部分一致は幅広い範囲に対して配信できるという大きなメリットを持っていると言えるでしょう。
しかしながら、関連性の低いKWでの掲載や、コンバージョンに繋がる前での予算使い切りなども想定できます。
メリットとデメリットを良く理解した上で、適切な運用が求められると言えるでしょう。
【リスティング広告】Googleでのキーワードマッチタイプの設定
それでは最後にマッチタイプの設定方法、注意点について以下の3点に分けて解説していきます。
なお、前半2つについてはグーグル広告におけるルールであり、Yahoo!広告においては設定されていない内容ですのでご注意ください。
キーワードの登録では表記ルールを守る
指定するKWのマッチタイプについて、独自の表記ルールがあることを把握しておきましょう。
具体的には以下の通りとなります。
完全一致:[ ]で囲む
フレーズ一致:“ ”で囲む
部分一致:KWをそのまま入力
つまり、完全一致で特定のKWを指定したい場合は、[リフォーム 東京]で表記、フレーズ一致の場合は“リフォーム 東京”といった流れとなります。
Google広告エディタでは英語表記
グーグル広告のエディタを使用する時、それぞれのマッチタイプを指定するには英語で表記する必要があります。
具体的には、以下の通りとなります。
- 完全一致:Exact
- フレーズ一致:Phrase
- 部分一致:Broad
慣れてしまえばそこまで難しいものではないはずですので、始めのうちは注意するようにしましょう。
除外キーワードも設定できる
こちらはグーグル広告、ヤフー広告共に当てはまる内容となります。
マッチタイプで指定したKWに対して、広告が掲載されるという内容を解説してきましたが、その反対で指定したKWに対して広告掲載を除外させることも可能です。
そのため除外するKWについては慎重に検討する必要があり、設定が多すぎると広告の回数が極端に減ってしまうことも考えられます。
しかし、適切に設定することで意図しない語句での掲載や、クリックを防ぐ効果がありますので、コスト削減や効率的な運用に繋げることが可能となるでしょう。
まとめ
リスティング広告におけるマッチタイプについて解説してきました。
適切に設定することで、想定する顧客に対して広告内容をダイレクトに伝えることが可能となります。
本記事を参考にしながら効率的な運用を実現していただけますと幸いです。