リスティング広告やオウンドメディア、個人で運営するブログなどにおいて、数値を分析する際によく耳にする単語である「インプレッション」
日常ではあまり聞き慣れない単語ではありますが、詳しい意味について知らないという方も多いと思います。
本記事では、そんなインプレッションについて、理解度を高めていただける内容となっており、特にリスティング広告のインプレッションについて焦点を当てて解説していきます。
インプレッション(imp)数や単価を増加させるためのコツも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
インプレッションとは広告の表示回数
インプレッションを端的に説明すると、「何度広告が表示されたか」という回数を示す数値です。
こちらでは、インプレッションについて理解を深めていただくための基本的な知識を、下記項目に分けて解説していきます。
- リーチやPVとの違い
- 広告収入の仕組み
- インプレッション(imp)数を増やす目的
1点、Googleでは、このインプレッションを「表示回数」と表現していますので、注意が必要です。
リーチやPVとの違い
Web内で何かが表示された回数を指す単語に「リーチ」と「PV」があります。
一見すると、広告表示回数との違いが無いように思ってしまいますが、実際には下記のように違いがあります。
- PV(Page View):「ある特定のページが閲覧された回数」
- リーチ:「広告がユーザーに閲覧された回数」
特にPVについては、広告の表示回数と似ている印象を持ちますが、PVは広告が表示されていなくても、数値はカウントされる仕組みとなっております。
それぞれの数値ごとに効果も変動してきますので、この3つの違いは明確に理解しておきましょう。
広告収入の仕組み
広告枠については、表示場所に関するオークションがおこなわれます。
この広告枠については、Webサイトの使いやすさの観点から、存在しない場合もあります。
そして、このオークションは単純な入札額だけで決定されることはありません。
オークションの結果を決める要素は、「広告ランク」という指標であり、その中身は非公開となっています。
広告枠が確定した後、広告媒体によってそれぞれターゲティングしたユーザーへ、広告が表示されることになります。
- 検索広告:キーワードに沿ってターゲティング
- ディスプレイ広告:閲覧しているサイトなどから、関心や属性を割り出してターゲティング
そして、それぞれの広告をユーザーがクリックした回数に応じて、広告収入が発生する仕組みとなっています。
インプレッション(imp)数を増やす目的
インプレッション(imp)数は、広告の表示回数ですので、回数が増えれば増えるほど、認知向上や成約率の向上に繋がります。
特に、CMなどの大きな広告と連動した展開の場合は、どれだけ多くの人にリーチしたかが重要な要素となります。
最終的にはクリック率や、コンバージョン率(CVR)を上げることが目的となる場合が多いですが、広告内容の認知向上のためにも、インプレッション(imp)数を増やす必要があるのです。
リスティング広告のインプレッション単価は2種類
リスティング広告をはじめとした、Web広告の単価を決定する基準の一つに、「インプレション単価(CPM)」と呼ばれるものがあります。
その中でも、単価を決める方法は「課金型」と「保証型」の2種類が存在しています。
この2つにはメリット、デメリットがあります。
選択する際にはよく理解しておく必要があるでしょう。
こちらでは、そんなインプレッション単価について詳しく解説していきます。
- インプレッション(imp)には課金型と保証型がある
- 課金型のメリット/デメリット
- 保証型のメリット/デメリット
インプレッション(imp)には課金型と保証型がある
こちらでは、それぞれの2種類を詳しく解説してきます。
課金型は、広告の表示回数ごとに、料金を支払う仕組みです。
例えば、yahoo!広告の「ディスプレイ広告」の場合、1,000回の広告表示につき、費用が発生するCPMと呼ばれる単価が採用されています。
CPMは「コスト・パー・ミル」の略であり、計算式は以下になります。
課金型は広告を運用するにあたって管理がしやすく、広告掲載を中断することや増やすこと、減らすことの調整が簡単におこなえます。
対して保証型は、予め契約を結んだ広告の表示回数に到達するまで、掲載が継続される仕組みです。
yahoo!広告の「ディスプレイ広告」の場合、広告の表示回数と同時に、掲載場所や期間を指定して、配信の予約が可能となっています。
一度契約するだけで、広告表示回数の目標に到達するまで、掲載を継続できますので、認知向上などに向いているでしょう。
課金型のメリット/デメリット
課金型のメリット、デメリットを解説していきます。
大きなメリットとしては、広告の成果を確認しながら運用できるという点があります。
成果に応じて広告の掲載中断や再開などの調整が手軽におこなえますので、効率よく運用できるでしょう。
また、ユーザーの反応で変動するクリック数と比較して、広告の表示回数は予想しやすいため、想定以上の広告費を支払う必要もなくなります。
広告を掲載した前例がなく、クリック率などの反応が予想できない場合は、この課金型で反応を確認しながら進めることをおすすめします。
デメリットとしては、クリックされることが無くても、広告の表示回数で費用が発生してしまうことです。
成果に直結するとは言い切れず、費用対効果の分析が難しいという側面を持っています。
対策としては、広告の表示回数の他にもクリック数や、コンバージョン(CV)数などの数値を設定することです。
万が一、広告運用が失敗しても、無駄な費用は最低限に済ませるでしょう。
保証型のメリット/デメリット
保証型のメリット、デメリットを解説していきます。
大きなメリットとしては、アクセス数の大きいサイトに掲載することで、短時間で大量の広告表示数を獲得できることです。
そのため、期間限定のキャンペーンや、新製品などの広告に保証型は大きな効果を発揮するでしょう。
そして、広告予算も事前に確定しますので、運用計画を立てやすいこともメリットです。
過去に同じような広告を実施している場合などでは、費用対効果の予測も立てやすくなります。
デメリットとしては、広告の表示回数が高くなっても、必ずしも成果が上がるとは言えない点です。
さらに、事前に費用を支払う必要がありますので、万が一結果の伴わない場合でも、多額の広告費用を支払う必要があります。
また、掲載するサイトによっては、契約した広告の表示回数に到達するまで、膨大な時間が必要となる場合もあります。
保証型を利用する場合は、アクセス数の多いサイトへの掲載を検討する必要があるでしょう。
広告のインプレッション(imp)数を増やすコツとは?
ここまでの解説で、インプレッションへの理解を深めていただけたでしょうか。
ここからは表示回数を増やすための代表的な方法を、5つに分けて解説していきます。
- 広告予算を増やす
- ターゲットユーザーの見直し
- 広告ランクを上げる
- インプレッションとコンバージョン(CV)が重要
- インプレッションシェアを確認する方法も
それぞれ詳しく解説していきます。
広告予算を増やす
予算を増やすことができれば、広告を掲載する数が増えますので、結果として、表示回数の向上に繋がるでしょう。
また、1日の広告額の上限を設定していた場合などでは、上限に達して掲載が停止されているなど、チャンスロスしている可能性もありえます。
このようなケースでは、予算を増額することで、本来発生するはずだった表示回数を逃さずに済むでしょう。
ターゲットユーザーの見直し
ユーザーを変更するためには、属性からターゲットを見直す必要があります。
属性とは年齢、性別、居住地などの情報であり、リスティング広告の場合、ユーザーの目的にあったキーワードを設定するのです。
もし、ターゲットの属性を細かくしすぎていた場合などは、広告の掲載数が極端に減少してしまう場合もあります。
そのような場合にはターゲットを再設定をすることで、広告表示の回数を増やすことに繋がるかもしれません。
広告ランクを上げる
オークションの結果は、入札価格に加えて広告の質にも影響されます。
つまり質が高いものであれば、入札単価が低い場合でも、オークションの勝率が高まるのです。
質を高めるためには、クリック数を増やすことや、掲載実績を積み上げる、さらにはクリエイティブな作品を作成するなど、総合的な分野で対策が必要です。
Googleの公式では、広告ランクについて、以下のような説明をしています。
広告ランクは入札単価、オークション時の広告の品質(推定クリック率、広告の関連性、ランディング ページの利便性など)、広告ランクの下限値、オークションにおける競争力、ユーザーが検索を行ったときの背景情報(ユーザーの所在地、デバイス、検索時間、検索語句の性質、ページに表示されるその他の広告と検索結果、その他のユーザー シグナルと属性)、および広告表示オプションなどの広告フォーマットの見込み効果を使って算出します。
(引用元:Google広告ヘルプ 広告ランク)
上記からも分かるように、ランクや質は総合的に判断されているのです。
インプレッションとコンバージョン(CV)が重要
コンバージョン(CV)数とは、広告をクリックした後、その先のページを訪れた検索者が、実際に商品を購入したり、資料請求などのアクションを起こした行動を計測した数です。
つまり、広告を多くの人が確認したとしても、成果に繋がるコンバージョン(CV)の回数が増えなければ、効果は低いとみなされるでしょう。
そのような場合には、ターゲットユーザーの見直しや、質やランクを上げるなどの対策を打つ必要があります。
このように、単純に表示回数が増えれば良いわけではなく、全体の数値を確認しながら運用していくことが重要なのです。
>>【Google広告】目標コンバージョン単価とは?目安や下げる方法を解説
インプレッションシェアを確認する方法も
この単語は、広告を掲載することが可能だった合計の回数のうち、実際に掲載された数の割合を指します。
この掲載できたはずの回数とは、あらゆる属性を総合的に判断、考慮した上で見積もりが出されます。
この数値を割り出す計算方法は以下の通りです。
つまり、広告の掲載ができたはずの検索が1,000回あると考えられる状況で、結果的には600回の広告掲載であった場合、シェアは60%と割り出すことができます。
このシェアが低い場合は、掲載機会を損失しているということになります。
つまり、運用が上手くできていないということになりますので、何かしらの対策を打つ必要があるでしょう。
まとめ
リスティング広告と、インプレッションについて解説しました。
インプレッションとは、広告が表示された回数であり、似ている単語である「PV(Page View)」や「リーチ」とは意味が違うことに注意しましょう。
- PV(Page View):「ある特定のページが閲覧された回数」
- リーチ:「広告がユーザーに閲覧された回数」
また単価方式には、「課金型」と「保証型」の2種類があります。
両方の単価方式には、それぞれメリットとデメリットがあるので、十分理解した上で適切な方法を選択しましょう。
Web広告については単純に広告表示回数を増やすだけでは、直接効果に繋がるとは言い切れません。
表示回数を増やしながら、その先の成果に繋がるように、上手く運用しなければならないのです。
そのためにも、それぞれの特徴を把握した上で検討しましょう。
本記事の内容を参考に、成果の出る広告運用に繋げていただけますと幸いです。