GoogleやYahoo!といった検索画面の上位に表示されるリスティング広告には、自動入札という機能を使うことがおすすめです。
本記事をご覧になっている方は、これから導入を考えているのではないでしょうか。
しかし、ご自身の広告運用に適した、自動(設定)入札の方法を把握しているでしょうか。
本記事では、上手く成果が出るための解説をしていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
Google広告における自動入札戦略とは?
まずはじめに、Googleなどの広告における自動(設定)入札の機能について解説していきます。
うまく使えば運用を簡略化させることができ、多くの利点があります。
手間を減らしたいと考えてる方にはピッタリの機能ですので、しっかりと理解した上で導入を検討してみてください。
- 機械学習で自動入札の設定ができる
- Googleの自動入札シグナル
- Google広告の学習期間
機械学習で自動入札の設定ができる
この機能は、システム自身が最適な価格でオークションに入札をします。
その価格決定については、機械学習を利用しておこなわれます。
今では手動で入札の調整をしており、コンバージョン(CV)が伸びないといった場合は、自動へ切り替えることで大きく伸長させることや、高い数値で留めることも可能かもしれません。
コンバージョンとは広告を閲覧したユーザーが、実際に資料請求や商品購入などの行動を起こした回数を示す言葉です。
広告が目に入っていても、その先の行動がなければ意味がありません。
運用するにあたって重要な要素につながりますので、自動(設定)入札により結果が伸びることには大きな利点があると言えるでしょう。
手動入札とは?
別の手法で手動入札があります。
Googleの広告には入札するための単価が8種に分けられており、その中でも以下の2つが手動入札と呼ばれる方法になります。
- 個別のクリック単価
- 拡張クリック単価
上記は、運用者ご自身で考えた価格で入札をする必要があります。
Googleの自動入札シグナル
検索サービスの1つであるGoogleには、自動(設定)入札へのシグナルと呼ばれるものがあります。
シグナルとは、ユーザー別やオークション時のコンキテストを決める属性のことであり、様々なものが該当します。
代表的なシグナルの一例は以下の通りです。
- 検索者の使用デバイス(スマホ・PC・タブレット等)
- 検索者の所在地(都市レベル)
- 地域についての複合的な情報(季節等)
- 曜日や時間帯(検索が多くなるタイミング等)
- 広告特性(表示されるパターンに基づく)
- 検索者の設定言語
- 検索者の使用ブラウザ
- 検索者の使用OS
このような内容から判断した上で、オークション時の入札価格を決定します。
例えば、レストランの広告の場合、週の始まりよりも週末にかけて検索される回数が増えると予想されます。
つまり月曜日や火曜日よりも、木曜日の20時頃にかけて調整をおこなう事になります。
この例のように、様々なシグナルから考慮した上で自動(設定)入札が実施されるのです。
>>【2022年最新】Google広告「最適化されたターゲティング」とは?
Google広告の学習(検査)期間
この機能は機械学習を利用しておこなわれますが、その学習(検査)期間について一般的に、3週間程度を必要とすると考えられています。
もちろん広告内容にもよりますが、平均的には3週間程度と考えていていいでしょう。
検索者の行動や属性、閲覧するコンテンツの内容や広告の掲載結果などの情報をその間で集め、分析をおこないます。
このようなデータが集まらないと、効果的な運用は当然難しくなります。
ですので、自動(設定)入札へ変更しても、すぐに効果が現れると思ってはいけません。
最初の3週間程度は成果が見込めない、学習(検査)期間だという事を覚えておきましょう。
自動入札のメリット
ここからはこの機能について、各メリットを解説していきます。
- 運用の効率化
- 広告効果の向上
- コンバージョン(CV)増加への期待値が高い
運用の効率化
自動(設定)入札は、価格を調整するための時間を大幅に改善することができますので、運用の効率化につながるでしょう。
その理由は、手動の場合は細かく価格を決めなければいけませんが、自動の場合ですと幅広い範囲に対して、金額設定を一斉におこなうことが出来るからです。
その中の細かいワードについては、広告の反応率をもとに変動させながら自動で入札をおこなってくれます。
つまり、入札価格を考える時間を削ることができますので、効率よく運用することに繋がるでしょう。
さらに、価格の調整頻度も多くなりますので、適切な金額での運用が可能となります。
時間と経費を削減できる大きなメリットといえるでしょう。
広告効果の向上
機械学習によるデータをもとに、効果的に入札がおこなわれますので、人の手では難しいような適切な判断を毎回おこなうことが可能です。
手動の場合はあくまで推測でしかない調整が、膨大なデータに基づいた信憑性のある調整である事です。
結果的に広告の精度が高くなり、効果の向上につながるのです。
コンバージョン(CV)増加への期待値が高い
上記2つのメリットの結果として、広告の最終目的であるコンバージョン(CV)数の増加も期待できます。
一般的な事例から考えても、手動から切り替えることで、広告への反応率を高い数値で安定させることや、絶対数を増やす効果は非常に高くなっています。
効果が伸び悩んでいる場合は、自動への切り替えで大きなメリットを享受できるでしょう。
自動入札のデメリット
自動(設定)入札についてのデメリットや注意点を解説します。
以下の3つに分けて紹介します。
- データの蓄積と学習(検査)期間が必要
- コンバージョン(CV)がないと精度が落ちる
- 配信の調整が難しい場合も
これから導入を検討される場合、注意点も把握しておく必要はあるでしょう。
データの蓄積と学習(検査)期間が必要
前述した通り、データを蓄積するために必要な学習(検査)期間があることは、覚えておくべき注意点でしょう。
ここで蓄積されるデータは、具体的には下記のようなものが挙げられます。
- 検索者の行動
- 検索者の属性
- 検索されたサイトやコンテンツ
- 広告を掲載した期間や結果
このようなデータ背景を元に、自動で入札がおこなわれますので、蓄積までの3週間程度は効果は出ないと考えておいた方がいいでしょう。
また、導入の初期段階ではデータ獲得のために、一時的に配信が強化されます。
その結果、顧客の獲得割合も下がってしまうことも覚えておいた方がいいでしょう。
その後は安定した結果が期待できますが、即効性が無い事に注意が必要です。
コンバージョン(CV)がないと精度が落ちる
データの蓄積期間にも通ずる注意点なのですが、過去のコンバージョン(CV)数が十分にない場合には分析の信憑性が低くなり、結果として運用精度も低くなる場合があります。
広告への反応率があまりにも低い状況で自動(設定)入札へ切り替えた場合、いくら待っていても期待以上の効果は見込めない可能性もあります。
そのまま時間だけが経過してしまい、結果が出ないまま予算を使い切ってしまうこともありえます。
費用対効果を高いものにするためには、導入を検討している広告の状況をよく把握している必要があります。
配信の細かい調整が難しいこともある
過去のデータを元に最適な入札をおこないますが、細かい配信調整については難しい場合があります。
特に、クリスマスやバレンタインなどの季節に応じた限定キャンペーンなどは、通常時とは違った配信を行う必要があります。
日々たんたんとベストな運営を続けることは得意な自動(設定)入札ですが、イレギュラーな限定広告など、細かい配信調整をおこないたいのであれば難しい場合もあります。
そのようなケースでは手動に切り替える必要がありますので、よく覚えておいたほうがいいでしょう。
自動入札の選び方のポイント
ここからは、自動(設定)入札の選び方やポイントについて解説します。
具体的には以下の4つに分けて紹介します。
- ポートフォリオ入札戦略の活用
- 季節性の調整を利用する
- 予算の確保
- アカウントは複雑にしない
それぞれ詳しくみていきましょう。
ポートフォリオ入札戦略の活用
広告を運営するための戦略として、「ポートフォリオ入札戦略」と呼ばれるものがあります。
どのような内容かといいますと、様々なキャンペーンやグループ、キーワードをひとまとめにしてしまうという事。
つまり、複数のキャンペーンにまたがって、全体として1つの目標に向けて入札を最適化することができます。
Googleでポートフォリオ戦略を作成すると、「共有ライブラリ」にその内容は保存されます。
このライブラリ内で、すべての管理や結果をひとまとめにして確認することも可能ですので、運営の手間も簡略化されます。
入札管理がやりやすく、自動化の効果も最大限に引き出すことができますので、この戦略はぜひ活用するべきでしょう。
季節性の調整を利用する
Googleの設定には、季節性の調整機能が備わっています。
これはすでに予定しているキャンペーンなどの告知内容によって、想定される反応率をあらかじめ登録しておくことで、自動(設定)入札の動作を調整できるという機能です。
この機能を活用することで、前述したクリスマスやバレンタインはもちろん、年末商戦など季節による上乗せのチャンスを取りこぼすこと無く配信できます。
期間の設定は1日〜7日程度が適切とされています。
それ以上の長期で設定してしまうと、上手く運用できない事が一般的です。
非常に便利な機能ですが、1点注意があります。
それは、広告反応率に大きな変化が想定される場合にのみ使用するという事です。
例えば3日限定のセールを告知する場合や、周年祭などのイレギュラーな期間があげられるでしょう。
一般的な年中行事による、反応率の増減についてはすでに自動(設定)入札の行動プログラムに組み込まれていますので、細かくイベントごとに設定する必要はありません。
予算の確保(Google広告が学習中のままになる)
機械によるデータ収集や、分析の期間が必要という事は前述させていただいた通りです。
そのため、予算不足による上限が設定されてしまうと、機械が集めるデータは不十分なものとなってしまいます。
結果として、分析不足に陥ってしまい、期待以上の効果がいつまで経っても表れないという事も珍しくありません。
自動(設定)入札を効果的に運用するためには、予算を潤沢に確保した上で、機械への学習データを豊富に与えた方が良いでしょう。
また始めて間もない頃は、広告の効果が悪くなることも踏まえた上で、導入を開始しなければいけません。
効果が薄いからといった理由で、タイプの変更など設定を触ってしまうと、学習(検査)期間がまた始めからとなってしまいます。
予算を確保した上で、長い目で見守る姿勢が重要です。
アカウントは複雑にしない
複雑なアカウントで、自動(設定)入札を開始することは避けたほうがいいでしょう。
なぜなら、機械上でターゲットとなる属性や広告内容が混ざってしまい、十分なデータ収集及び分析ができない可能性があるからです。
最終的な目的が同じである場合では、出来る限り統合すると効果は高くなりますが、あまりにも複雑なアカウントで運用してしまうと、非常に効率が悪くなってしまいます。
また、自動(設定)入札を開始してから、アカウントを変更してしまうことも避けなければいけません。
アカウント構造が変化してしまうと、機械学習の内容もまた最初からになってしまいます。
複雑なアカウントではなく、一致する内容でまとめたアカウントを始めから設定しておきましょう。
まとめ
Googleにおける、自動(設定)入札について解説してきました。
機械だからこそできるメリットもありますが、その反面注意が必要な点もあります。
しかし、適切に活用すれば大きな効果が期待できますので、手間を省いて運用がしたいとお考えの方は、ぜひ一度導入することをおすすめします。
本記事の内容がお役に立てますと幸いです。